2015年10月25日

Young@Heartに、ルワンダからの客人



Young@Heartコーラスの練習に、
アフリカは、ルワンダからの客人が参加!
激しい民族抗争による大量虐殺等で、
心身ともに傷つき疲弊したルワンダ国民。
その再生に必要な方策を求め、
政府職員のガタバジさんたちはやってきた。




ルワンダ2
(photo:Kazuhiko Iimura)




「Young@Heartの素晴らしいところは、
お年寄りたちみんなが、
明るく元気に音楽を楽しんでいるだけでなく、
社会に大きな貢献をしているところ。
コンサートに訪れる人を愉快にさせるだけでなく、
罪を犯して服役中の受刑者の心も温かくしている」

ガタバジさんは、
ハンプシャー郡刑務所での練習にも参加した。
ルワンダに戻ったら、
Young@Heartコーラスが行っているような、
音楽プログラムをつくりたいと話す。

で、当然のようにルワンダの民族音楽を披露。
みんなからやんやの喝采を受けた。




ルワンダ3
(photo:Kazuhiko Iimura)




来週に迫ったYoung@Heartコーラスと、
受刑者コーラスとのコラボコンサート。
もちろん、ルワンダからの彼らも「参加」する…


(飯村和彦)

newyork01double at 04:02|PermalinkComments(0) 取材ノートより | マサチューセッツ州・Amherst

2015年10月06日

ライフビデオ「Hana's Life ハナばあちゃんと子どもたち〜盆と正月が一緒にやってくる!そんな7年間の物語〜



「ハナばあちゃんと子どもたち」
〜盆と正月が一緒にやってくる!そんな7年間の物語〜




Hana1




長い間やろうと思っていても、
なかなか実行に移せなかったこと。
それが撮りだめた家族の日常映像を編集して、
ひとまとまりの記録にすること。

まずは祖母に関するところだけでも…と決心して、
先月半ばから作業を開始した。
祖母に関する映像や写真と、
同じ頃に生まれたうちの子どもたちの素材を使用して、
最終的に1時間14分ほどの作品にした。

祖母が90歳のときの正月から始まり、
97歳でこの世を去るまでの7年間の話。
撮影舞台はといえば、ほとんどが実家で、
シーンも私どもが実家を訪れる盆と正月が大半だから、
当然、同じ行事の繰り返しになる。
ところが、完成したものを通して見ると、
そんな毎年の繰り返しだからこそ、
「そうなのか…」と合点するところが多々あった。




Hana2




当然ながら祖母は年々、老いていく。
“老いが深まる”といった方が適切かもしれない。
けれども「生きよう!」「生き切ろう!」とする意思は健在で、
末期がんで死の淵に瀕したときも、
70年間連れ添った夫(祖父)と死別したときも、
彼女は強い意志で、その都度、奇跡的な回復を遂げた。
もちろん歳が歳だから、顔に刻む皺は年々深くなるし、
幾度となく繰り返される外出時に玄関をでる様子は、
“一人でスタスタ歩いている”姿から、
“家族の誰かに抱えられて…”の姿へと変わっていく。

だが、それは単なる身体的な老いでしかないようで、
祖母の老いと反比例するように、
年々成長するひ孫たちと接するたびに、
祖母は自分自身の中にあった、
「生きる力」を再確認していたように思える。




Hana3




家族の中に高齢者が存在していること。
自宅とケアハウスを行き来する祖母の生活。
そんな祖母の生活を支える父や家族の日常。

話を少し一般化してみると、
当時の我が家には、いま日本の課題となっている、
「在宅介護」や「老老介護」、「施設と自宅」等々の問題が、
すべて当たり前に存在していた。
その上で、家族や親族が高齢者を敬い、共に日常を生きる。

もちろん、介護する側の負担は大きい。
実家にいる家族たちの苦労は並大抵ではなかったはずだ。
でも、だからといって何か特別なことをする訳じゃない。
明るく楽しく…
毎年、どんなときでも…いつも通り、普段通り。
そんな「いつも通り」がどれほど大切で、
どれだけ掛買いのない時間だったことか…

祖母にまつわる1時間14分の映像は、
そんなあれこれを思い出させてくれた。


映像をまとめるのには、約2週間を要した。
たった7年間でもHi-8やDV映像が、テープ約40本分。
その中から祖母に関する部分だけを抜き出し、
ガツガツ編集して、まずは3時間ほどの長さになった。
そこに写真素材を加えてさらに編集。音楽もつけた。
その結果、1時間25分ほどの長さになったので、
「家族用だから、これでいいか…」と思い、
いったんはそれで終了…とした。

ところが、職業病そのもので、
どうせなら少しだけナレーションをつけよう!
ということで娘に短い原稿を読んでもらうことに…
で、やっと完成と思ったら、
ナレーションを付けたことで今度はVTRのテンポが気になり、
1時間12分に尺詰め。
おかげでDVD1枚に収まるデータ量にもなったのだが、
そうこうするうちに、
一つ大切なシーンが抜けていたことが発覚して、再々編集。
で、きのうの日曜日、やっと1時間14分で完成した。



Hana7




素材を時系列に繋いだだけの作品なのに、
いやはや…、大変な作業になった。
まあ、これも自分がいまの職業についたから…
そう考え、ひとり納得している次第なのです!

(飯村和彦)


newyork01double at 03:24|PermalinkComments(0) 家族/ 子育て | ダブル秘話

2015年08月18日

「常野物語〜蒲公英草紙」より




蒲公英草紙


「常野物語〜蒲公英草紙」(恩田陸)より抜粋

……………………
漠然とした不安は、いつも丘の向こうにありました。
声高に寄り合う男の人たち。
世の中はきなくさく、
何か殺伐としたものが
遠いところから押し寄せてきていました。
清国との戦争は、
海の彼方の国々がすぐ近くまで来て
我が日本の一挙一動を見張っていることを知らしめました。
小さな半島を巡って、
どろどろしたやりとりがが続いています。
ろしあが、いぎりすが、と
皆いきりたって拳を振り上げているのを見ると、
女たちは一様におどおどと表情を失います。

なぜわざわざ海を越え、
よその国に行って戦争をしなければならないのでしょう。
なぜ人のうちの物を欲しがることに
もっともな理屈をつけて偉そうに叫ぶのでしょう。
外国の脅威を語る人たちがいる一方で、
労働者が、資本家が、社会主義が、
と何やらその三つの言葉が
組み合わせを変えてあちこちで叫ばれていました。
かと思えば汚職に、猟奇的殺人に、
と次々に懲りずに衆目を集めるような騒ぎが湧いてでます。

……………………

赤ん坊が泣いています。
数日前に、広島と長崎に立て続けに落とされた新型爆弾は、
街を根こそぎなくしてしまったそうです。
市民のほとんどが死に絶え、毒がばらまかれ、
今後五十年は草も生えないだろうと噂されていました。

そっと重い身体を動かし、夕焼けの中を歩いてみます。
あちこちに呆然と座り込んでいる人達の姿が見えます。
今日、私は、そしてみんなも、
初めて陛下のお声を聞きました。
みんなでじっと地面を見つめて、
身動きもせずにそのお声を聞いたのです。
空は澄み切って高く、
よく晴れた一日が終わろうとしています。

彼らはどこにいるのだろう。
私は光比古さんの大きな瞳を思い出していました。
彼らは今、どこにいて、どんな気持ちであの陛下のお声を聞いたのだろう。
私は今、とても光比古さんに会いたくてたまりません。
今こそ彼に会いたいのです。

今でも私ははっきり思い出すことができます。
新しい世紀、海の向こうのにゅう・せんちゅりぃに
胸を躍らせていた多くの人々を。
私たちの国は、
輝かしい未来に向って漕ぎ出したはずだったのです。
けれど、日本は負けました。
夫も、息子も、孫の父親も死にました。
残っているのは飢えた女子供ばかりです。
これからも日本は続くのでしょうか。

この国は明日も続いていくのでしょうか。
これからは新しい、素晴らしい国になるのでしょうか。
私たちが作っていくはずの国が本当にあるのでしょうか。
私は光比古さんに会いたくてたまりません。
あの時、
光比古さんが私にした問い掛けを、
今度は彼にしたいのです。

彼らが、そして私たちが、
これからこの国を作っていくことができるのか、
それだけの価値のある国なのかどうかを
彼に尋ねてみたいのです。

……………………



newyork01double at 01:53|PermalinkComments(0) 気になるBOOKs 

2015年08月08日

結論は「日本必敗」…開戦前に存在した「奇跡の組織」総力戦研究所とは?



彼らが導きだした結論は「日本必敗戦!」
それはまさに「奇跡の組織」だった。

太平洋戦争の開戦直前、1940年9月、
勅命により内閣総理大臣直属の機関として設立された「総力戦研究所」のことだ。
たぶん、ほとんどの日本人はこの総力戦研究所がどんな目的でつくられ、
何を行ったのかを知らないだろう。
それよりなにより、
そんな組織が当時あったことすら関係者以外は知らないに違いない。



総力戦研究所



これまで多くの時間を費やして総力戦研究所に関する史料や文献にあたり、
関係者にも話を聞いた。その結果到達した結論が、
冒頭に書いた通り、それは「奇跡の組織」だったのではないだろうか、
ということだった。

「総力戦研究所」設立の目的は、文字通り総力戦に関する基本研究。
各官庁・陸海軍・民間から選抜された若手エリートたちが、
出身機関・組織から持ち寄った重要データをもとに率直な議論を行い、
国防の方針と経済活動の指針を考察し、統帥の調和と国力の増強をはかることだった。

では、なぜ「奇跡の組織」だったのか。

その最大の理由は、この組織が、内閣総理大臣直属の機関でありながら、
官民軍の垣根を越えた純粋な研究教育機関だったこと。
教育において重要視されたものはセクショナリズム、つまり縄張り意識の払拭だった。
前述した通り、研究員には各省庁や陸海軍はもとより、
日銀やメディア、民間企業から選りすぐりの人材が登用され、その平均年齢は33歳。
つまり、次世代の日本を担う現役中堅幹部たちが、出身母体の利害を越え、
開戦へと突き進む世相に惑わされることなく、
冷静に当時の日本の国力を総合的に分析した訳だ。

翻って現在の総理大臣直属の各機関の在りようを考えて欲しい。
構成メンバーの多くには、総理や時の政府の思惑に沿った人物が任命され、
だされる提言はといえば、政権が実行したい政策を後押しするものがほとんどだ。
ある政策に対して多くの国民が「NO!」を訴えている場合ですら、
いまの総理直属の機関が、
政府方針に真っ向から異をとなえる提言をだすとは考えにくい。
現在問題になっている安保法案などはいい例の一つだ。

ところがあの開戦直前の時期、総力戦研究所のメンバーたちは、
勅命による総理直属の機関でありながら、堂々と自分たちの研究結果を発表し、
政府に異をとなえることも厭わなかったのだ。



文書グループ



総力戦研究所が行った研究の中から、特筆すべきものを二つあげよう。

まずは、開戦のおよそ10ヶ月前にだされた、
当時の日本の戦争指導機構の致命的な欠陥を指摘した研究、
「皇国戦争指導機構ニ関スル研究」

この研究報告書は、昭和16年2月3日付で作成され、
40部を関係方面に配布した「極秘」扱いの文書だった。
内容は、総力戦段階に適した戦争指導機構とは、
あくまで政府を戦争指導の「実行責任者」とすべきであり、
陸海軍は「強力ナル支援」の立場にあるべき。
ところが実際には統帥権が国務から独立し、それ自体が自己運動している現状がある。
これでは到底総力戦段階に適合した戦争指導は望むべくもないとして、
統帥権独立制を正面から批判。
可能な限り統帥権を狭義に解釈することで政軍関係の調整を行うべきだとして、
独自の戦争指導機構改革案を提示している。



統帥権の独立



ここでいう「統帥権」とは、
大日本帝国憲法(明治憲法)第11条が定めていた天皇大権のひとつで、
軍隊の作戦用兵を決定する最高指揮権のこと。
明治憲法下の日本では,統帥権を天皇の大権事項として内閣,行政の圏外においたので、
陸海軍の統帥権の行使に関する助言は国務大臣の輔弼によらず、
もっぱら陸軍では参謀総長,海軍では軍令部総長によるものとされ、
「統帥権の独立」が認められていた。
つまりここに「国務と統帥の二元制」という帝国憲法の欠陥があった。

太平洋戦争においては軍部が、「統帥権」をたてに天皇を利用。
結果、日本は負けると分かっていた戦争に突き進んでいった訳だから、
開戦直前の時期に、政府肝いりの機関だった総力戦研究所が、
軍部暴走の主因であった「統帥権の独立性」に関して、
ここまで明快に否定していた事実は歴史的に重い。

ここ最近の日本の空気が、戦前のそれに似てきていると、
多くの識者が指摘している状況を考えれば、
いま改めて総力戦研究所のような組織が必要なはずだが、
当然ながら安倍政権には、そんな組織を立ち上げようとする空気すらない。


総力戦研究所が行った特筆すべきことの二つ目は、「日米開戦のシミュレーション」

いま開戦に踏み切った場合、
戦況はどのように推移し、結果どうなるのかを見極めることだった。

ここで用いられた手法は、
模擬内閣を組閣し、国策遂行と総力戦の机上演習を行うというものだった。
模擬内閣は総力戦研究所の研究生34名で構成され、
彼らは出身機関・組織から持ち寄った第一級のデータをもとに、
想定される戦況の推移を仔細に検討した。
この研究結果は、開戦直前の昭和16年8月27,28日、
首相官邸で行われた「第一回総力戦机上演習総合研究会」で報告された。

総力戦研究所の模擬内閣の導き出した結論は、

「開戦後、緒戦の勝利は見込まれるが、その後の推移は長期戦必至であり、
その負担に日本の国力は耐えられない。
戦争終末期にはソ連の参戦もあり、敗戦は避けられない。ゆえに戦争は不可能」
という「日本必敗」のシナリオだった。
これは真珠湾攻撃と原爆投下以外、現実の戦局推移とほぼ合致していた。

この机上演習に関する報告は、当時の近衛文麿首相や東條英機陸相以下、
政府・統帥部関係者の前で行われたが、
結論を聞いた東條陸相は、

「…これはあくまで机上の演習でありまして、…戦というものは、 計画通りにはいかない。…(この演習の結果は)意外裡の要素というものを考慮したものではないのであります」と発言し、「この机上演習の經緯を、諸君は輕はずみに口外してはならぬ」として、演習について口外しないよう求めたという。

結局、この総力戦研究所の研究結果は現実に生かされることはなく、
日本は「必敗」の戦争に突入していく。


歴史に「if」は禁物だか、あえて考えれば、
もしも総力戦研究所のような組織・機関が、開戦間際の時期ではなく、
もっと早い段階、昭和初期にできていたら、
あの不毛な戦争を回避できていたかもしれないし、
そうすれば約320万人もの尊い国民の命が失われずに済んだかもしれない。

終戦から70年の今年、安倍総理が談話を発表する。
例えば、その談話の内容に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」は、
いったいどんな役割を果たしただろう。
座長は総理を支える財界の大物である西室泰三・日本郵政社長、
座長代理は、安倍総理の政策ブレーンである北岡伸一・国際大学長。
その他メンバーの顔ぶれを眺めてもほとんどが総理の考え方に近い人物。
メンバーの人選で公正さを求められない私的懇談会であるから当然なのだが、
ではなぜ日本の戦後70年を総括する談話について、
総理に参考意見を伝える役割の会議が、「私的」なものだったのか。
なぜメンバー人選で公正さが求められる法令に基づく審議会ではなかったのか。

結局、7回に及ぶ会議を経て8月6日にだされた報告書の中身はといえば、
予想通り、概ね当初からの安倍総理の考え方を反映した内容だった。
ポイントをあげれば、

【先の大戦に対する「痛切な反省」を明記】
【「植民地支配」や「侵略」との表現も記載】
【村山富市首相談話にある「おわび」の踏襲は求めず】
ただし「侵略」に関しては、有識者会議の複数の委員から、「国際法上、定義が定まっていない」などとして報告書への記載に異議があったことにも触れている。

北岡伸一座長代理によると、
「侵略」という文言の記載については「二人の委員が反対した」…らしい。

ということは、14日に安倍総理が発表する戦後70年談話には、
「おわび」はもとより、「侵略」という文言も入らない可能性が高い。
安倍総理にしてみれば、2人の反対だけで十分だから。
この点に関しては安保法案に関する「違憲」論争を見れば明らかだ。
違憲が9割を超えても「1割の合憲でも良し」としている訳だから。

つまり、
この「21世紀構想懇談会」なるものの存在理由は、
既に方向性がはっきりしている戦後70年談話の性格や色あいを発表前に幾度か公表して、国内外の反応を探り、地ならしをすることでしかなかったといえる。
いわば観測気球のようなものだった訳だ。
だからこの「有識者会議」が、人選の公正さ云々はもとより、
安倍総理の考え方に異議を唱えるはずもない。


では、戦前の総力戦研究所のような、官民の責任ある立場の人たちが、
それぞれの抱える利害を越えて、
一緒になって日本という国の在り方を真剣に考えるような組織なり機関、
あの「奇跡の組織」はもう二度と登場しないのだろうか。

少なくとも今の政治家や官僚にはまったく期待できない。
その意味では「奇跡」がもう一度起こることはまずないように思える。

けれども少し先を見れば、
「もう一度奇跡が起こるかもしれない」との微かな希望がないわけじゃない。
そのほう芽のようなものか、いまの安保法案反対の運動の中にあるのではないか。
立場を越えた人たちによる縦横の連携。



安倍政治を許さない



なかでも将来の日本を支える多くの大学生や高校生が、
自分自身でこの国のあるべき姿を考え始めた。
安保法案の廃案を訴えてデモを行っているSEALDs(シールズ)や、
T-ns SOUL(ティーンズ・ソウル)が奮闘しているようすは逞しい。

彼等の中から、
間違いなく有能な政治家や官僚、各分野の次世代のリーダーが登場してくるだろうし、
そんな彼等であれば、
省益やら政治的な利害、企業エゴなどを越えた横の繋がりをつくれるに違いない。
そしてそのことが、
次なる「奇跡の組織」の登場を現実のものにしてくれるのだろうと想像する。

ではその実現のために、
彼等の親の世代である自分たちは何をすべきなのだろう?

考えるまでもない、
ダメはダメ、
許してはいけないものに対しては躊躇することなく声を上げて行動するしかない。
もうためらっている時間はないのだから。
でないと、懸命に頑張っている次の世代に申し訳ないじゃない?

(飯村和彦)




newyork01double at 12:10|PermalinkComments(0) 取材ノートより | 東京story

2015年08月02日

「家」をもっと大事にできたらいいのになあ


見たところ、まだ古いとはいえないような、
どちらかといえばまだ新しそうな家の解体工事。
家を壊して更地にしたうえで「宅地」として売りに出されるらしい。

多少ステレオタイプな言い方になるけれど、
多分これが「日本的」な不動産(土地や住宅)市場のありようなのだろう。
実にもったいな話だ。



解体工事



ちなみにアマーストの我が家は45年前に建てられた木造住宅。
これまでに5〜6人オーナーは代わっているが、
住宅そのものの価値はほとんど変わらない。
経済が上向き、住宅需要が高まれば、家の値段は上がる。
その際に、家の新しい古いはあまり関係ない。

より考慮されるのは、築年数よりも家の状態。
きちんと手入れされ、いい状態を保っている限り、
家そのものの価値が下がることはない。
逆にキッチンやバスルームなどを改装したりすると、
古い家でもぐぐっと値が上がったり。

「新築」でなくなった途端、
驚くほど価値が下がってしまう日本とはまったく違う。

日米にはそれぞれいいところと悪いところがあるけれど、
こと住宅に関しては、
日本よりアメリカの方がフェアなような気がする。

もちろん、国土が狭い日本にあっては、
家より「土地」…なのだうが、多分それだけが理由じゃない。
かつて建てられていた長持ちしない「お粗末な住宅」の影響もあるだろうし、
多くの日本人が「まっさら」なもの好きというようなこともあるだろう。

でも、
やっぱり何をどういっても、もったいないものはもったいない。
ますます建築資材やらなにやらが値上がりしていくだけだ。
それでなくても日本のいたるところで「空き家」問題が発生している昨今、
ちょっと考え方を変える必要がありそう。

(飯村和彦)


newyork01double at 20:04|PermalinkComments(0) 東京story | 取材ノートより

2014年11月09日

訳もなく、ここは新宿・花園神社「酉の市」



仕事で東京。
特にこれといった訳もなく、
新宿、花園神社の前を通りかかったら、酉の市。
明日が「一の酉」(…とは知らなかったけれど)だから、
今晩が前夜祭なのだという。
境内には商売繁盛の熊手を商う露店が軒を並べる。
なんでも関東三大酉の市のひとつだとか…。




花園1




縁起物の熊手(縁起熊手)は、
鷲(わし)が獲物をわしづかみすることになぞらえ、
その爪を模したものだというが、じゃなんで「熊」なのか?

枯れ葉を集めたりするときに活躍する農具の熊手は、
熊の手のように爪が広がっているため「熊手」と呼ばれる。
そんな熊手だから、
幸運や金運を「かき集める」という意味を込めて、
商売繁盛の縁起物となっているというのはわかるけれど…




花園2




ならば少し調べようと思って検索をはじめたら、
大鳥神社(鷲神社)の祭神である日本武尊の話やら、
浅草酉の寺・長国寺の鷲妙見大菩薩の話やら、
仏教と神道では由来が違う…やらあれこれ。
とても短時間では「鷲」と「熊」の関係が明快にならない。
なので、もう少し時間のあるときに…ということで断念。




花園3




ともかく、酉の市の縁起熊手には、
「福徳をかき集める、鷲づかむ」との意味が込められている訳だ。
大きいものだと平気で5万円、10万円…の値段で売られる。
「つくるの大変なんでしょうね」
と、法被姿の露店のおじさんに聞いたところ、
「飾り物やら何やらを別々につくって、最後にまとめる」ので、
完成品にすること自体はそんなに手間じゃないらしい。

そんなかんなであれこれ眺めてみたけれど、
結局「縁起熊手」は買わずじまい。
もうしばらくは、福や徳は自分の手で…ということですね。
どこからか聞こえた、
手締めの打たれる威勢のいい音には心躍らされるものがあったけれど、
まあ次の機会に。




花園4


(飯村和彦)


newyork01double at 22:05|PermalinkComments(0) 東京story 

2014年10月26日

テロとの戦い。10年前といま、日本の姿勢は?



間違いなく、いま世界は深刻な事態に陥っている。
イラク、シリアで勢力を急拡大している「イスラム国」の存在。
そして、彼らの主張に同調する世界中の組織・個人。
特に後者にあっては、どこの誰が「テロリスト」であるのか、事が発生した後でないと分からないという現実が横たわる。
あるものは自らの信念から自爆テロを起こし、あるものは自らが今置かれている社会状況に憤怒しライフルや斧を手に暴挙に走る。

一方アメリカのオバマ大統領は、イスラム国への対応を巡り、22カ国の軍のトップをメリーランド州の空軍基地に集めて結束を呼び掛けた。会議に参加したのはイスラム国への空爆に参加しているフランスやイギリス、サウジアラビアなど。
この席でオバマ大統領は、「目標は、イスラム国が国際社会の脅威にならぬよう弱体化させ、最終的には破壊させることだ」と力説。イスラム国を壊滅するには、アメリカ単独ではなく「有志連合」の協力が不可欠という認識を示し、参加国も一致したという。

ここで登場した「有志連合」という言葉。
「有志」、つまり志の有るものたちの「連合」を意味するのだろうが、ではその「志(こころざし)」とはどんなものなのだろう。
さらに、このアメリカの呼びかけに日本は今後どのような姿勢で臨んでいくのだろうか。
安倍首相とその仲間たちが「選択」する「立ち位置」によって、これから先日本が向かいあっていくことになる「対イスラム国」「対テロ戦争」の様相が大きく変わってくる。

安倍首相の「選択」によって生じる「結果」。
その結果は私たち日本国民が受け入れられるものになるのか。もし受け入れがたい結果になった場合、安倍首相はどうのような「責任」の取り方をするのだろう。

と、ここまで考えて、ふとあることに気付いた。
約10年前にも似たようなことがあったなあ…と。
そこで当時の原稿を引っ張り出してみた。2004年2月に書いたものである。
内容は、小泉首相(当時)が、自衛隊のイラク派遣を決めたことに関する疑問だ。

考えを整理する意味もあり、改めて原文のまま掲載することにしました。
この10年間で、なにが変わりましたか?



星条旗たなびく?



…【以下、2004年2月3日、記】

『イラクへの陸上自衛隊の本隊派遣がいよいよ開始された。政治に翻弄された挙げ句の事実上の派兵。日の丸を背に迷彩服に身を包んだ隊員たちの胸中は複雑だろう。イラク国内が戦闘地域であるのは明白であり、そこに派遣されるということは、自らの命を失う危険性があると同時に他国人の命を奪う可能性もあるということを意味するからだ。
 しかし、先週の衆議院特別員会に於いて小泉首相は、自衛隊員に万が一のことが起きた場合、その『責任』をどうとるのかという民主党の前原誠司議員の質問に対し、「派遣された自衛隊員がその任務を果たせることを祈る」という内容の答弁を繰り返すだけで、不測の事態が発生した際の具体的な責任の取り方については一切口にしようとはしなかた。ときに薄笑いさえ浮かべながらのその答弁からは、日本の最高司令官としての決意は微塵も感じられなかった。

自衛隊のイラク派遣は小泉首相の判断であり、『選択』である。自分が行った選択の結果を引き受け、それに責任を持つのは当然のことである。この世に結果のでない選択など存在しない。にもかかわらず、小泉首相は頑なまでに責任の取り方を明確にしない。つまり、選択はしたがその結果については責任をとらないといっているのと同じである。
対テロ戦争は、どこに国境や前線があるのか、誰が敵なのかも曖昧な新しいタイプの戦いである。2年前、『9.11テロ』を検証する報道番組の取材で話を聞いた元FBI副長官のオリバー・レベル氏は、テロリストとの戦いの難しさについて「テロ決行の時間や場所などすべての状況をコントロールしているのはテロリストの方であり、特に自爆テロの場合は、実行犯が十分に訓練を積み、地域社会に潜り込み、時間をかけて計画を練り上げるので、その裏をかいてテロを未然に防ぐことは事実上不可能である」と語った。つまり、テロを防ぐための包括的な対策などは存在し得ないということだ。

自衛隊員が派遣されたイラクもまさにそのような状況であるということを、日本政府が正確に把握しきれていないであろうことは、国会での小泉首相や石破防衛庁長官による「サマワ答弁の混乱」を見ても明らかである。
さらには、イラクの大量破壊兵器問題を調査してきたデビット・ケイ前調査団長が、開戦時にイラクが同兵器を保有していた証拠はないと断言したことで、イラク戦争の大義にまで疑問符がついた現状を考えれば、自衛隊派遣の是非以前に、米英軍によるイラク戦争開戦を支持した小泉首相以下、政府の判断(選択)そのものが改めて問題になっているのである。「自衛隊が立派に任務を果たせるようにするのが私の責任だ」などと答弁している状況ではない。大義なき戦争を支持したかもしれないということの意味は、多くの罪のないイスラム教徒を大量に殺害した戦争、言い換えれば「テロに対する戦争」という名のもとに行われた“国際テロ”を支持したのと同じで、そこが問われているのだ。

ブッシュ大統領は「フセイン政権を打倒して世界はより安全になり、イラクの人々は自由になった」と述べているが、その彼の言葉がいかに空虚なものであるかは未だに戦闘状態が続くイラクやパレスチナの現状を見ればわかる。
小泉首相は日米同盟、国際協調はこれからの日本の平和と繁栄にもっとも大事だと力説するが、では彼のいうところの国際協調とはどんな国々との協調を意味するのだろうか?まさか米国とその同盟国だけを意味しているのではあるまい。これと似た疑問はブッシュ大統領や小泉首相が「テロに対する戦争」という言葉を口にする時にも沸いてくる。テロに屈してはならないというのは至極当然なことであるが、彼らのいうテロとは誰によるどんな相手に向けられたテロを指してのことなのか? 米国とその友好国に向けられるテロだけがテロだともいうのだろうか? 日本政府は米国が過去行ってきた多くの“テロ攻撃”に対してはどんな立場をとっているのか? 

我々はテロという犯罪そのものについて異なった視点から見つめる必要がある。国際司法裁判所が国際テロで有罪を宣告した唯一の国が米国であり(1986年)、米国だけが国際法の遵守を求める国連安全保障理事会の決議に拒否権を発動したという事実。これは1980年代にニカラグアが受けた米国による暴力的な攻撃(「力の非合法な行使」)に対する国際司法裁判所と国連の判断だった。ニカラグアではアメリカによるこの“テロ攻撃”で何万もの人が命を落とした。1998年にはスーダンの首都ハルツウムに米国は巡航ミサイルを撃ち込んだ。この爆撃でスーダンの主要な薬品の90%を製産していた製薬工場が破壊されたため、以降、今日に至るまで数万人もの命が失われていると報告されている。その多くが子供たちだという。彼らの家族にしてみれば米国こそがテロ国家なのである。サダム・フセインと米国が1980年代盟友関係にあったのは周知の事実だし、その当時サダム・フセインが毒ガスでクルド人を大量殺戮するという残忍なテロ行為を行ったのもまた事実である。
これら米国による数々の“テロ攻撃”の歴史については、マサチューセッツ工科大教授のノーム・チョムスキー氏の著書「9.11アメリカに報復する資格はない!」に詳しく述べてられているので是非参考にして頂きたいが、問題はこのような“テロ国家”としての米国の歴史を日本政府がどのように解釈した上で、その米国が掲げる「テロに対する戦争」に現在向き合っているのかが判然としないことである。

二日、宮崎県の高校三年生の女子生徒が内閣府に提出した、平和的な手段によるイラクの復興支援と自衛隊の撤退などを求めた小泉首相宛ての5358人分の署名つきの嘆願書に関連し、小泉首相は「この世の中、善意の人間だけで成り立っているわけじゃない」とした上で、学校の教師も生徒に「イラクの事情を説明して、自衛隊は平和的に貢献するのだ」ということを教えるべきだと語った。自衛隊派遣という重い選択をしたにも係わらず、その結果起こりうる出来事についてどんな責任をとるのか一切説明しない小泉首相に、学校の教師に対して自らの判断の正当性を生徒に説明させる資格があるだろうか。
「暴力の連鎖を断ち切るためには平和的な解決が必要だ」と考え、たった一人で5358人分もの署名を集めた女子生徒の方が、何が善で何が悪なのかをきちんと見極めている気がするし、彼女の考えに共鳴した多くの若者たちの方が小泉首相より自分の正義、うちなる倫理に忠実に生きるように思えてならない。

善か悪か…。その概念は、状況によって変化する例が一つでも見つかった瞬間に焦点を失うものだ。特に「戦争」や「テロ」においては視点をどこに置くかで善悪の見え方も違ってくる。今ほど注意深く物事を見つめる姿勢が重要な時はない』

(飯村和彦)


newyork01double at 12:25|PermalinkComments(0) 取材ノートより | テロとの戦い

2014年10月22日

夢のような紫色クレヨン!



こんなクレヨン、
あったらいいなあ…。

ドラえもんが、
あのポケットから取り出すような、
「夢のクレヨン」の話。


紫のクレヨン


「ハロルドと紫色のクレヨン」
…というタイトルになるのか。
ともかく、
この絵本、気に入っている。

ストーリーは簡単で、
欲しいものを紫色のクレヨンで描いいけば、
どんどん、
なんでも出てくる。

以下、抜粋。


絵の1


2の絵


3の絵


この話の面白いところは、
ストーリーが、
「線」で繋がっていくところ。

紫色のクレヨンで描かれる世界は、
途切れることがない。
次から次へと、
夢の世界が広がっていく。

一度、
手にとって眺めてみる価値あり。


(飯村和彦)


newyork01double at 07:09|PermalinkComments(0) 家族/ 子育て | 気になるBOOKs

2014年04月13日

一日限定「マリファナ(大麻)を自由に!」@Amherst



アマーストの街中で「マリファナ(大麻)イベント」
決められた公園の敷地内であれば、
本日だけマリファナが自由に吸えるらしい。




taima1




会場は「老若男女」でいっぱい。
60年代に活躍したであろうおじいちゃんなんかも多い。
出店にはマリファナのほか、工夫を凝らしたガラス製吸引機が並ぶ。
なぜか色とりどりのフラフープも…。




taima2




taima5




taima3




駐車場には、”らしい”デザインの医師たちの車。
まあ、もし体調を壊した人がいたら必要になるのだろう。




taima4




イベントの目的はというと、
「マリファナにまつわる思い込みや良からぬ評判を払拭して、
なんとか法改正に持ち込もう!」ということらしい。

(主催者のHPには以下のようにあった)

The event is held by The Cannabis Reform Coalition. Their mission is to dispel the myths, lies and stigmas surrounding marijuana and to reform the unrighteous laws that surround it, while keeping our name as the most active and the most chill RSO on campus.




taima6


(飯村和彦)


newyork01double at 06:59|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | 世界の風景

2014年02月28日

詩人「まどみちお」さん逝去



詩人「まどみちお」さん逝去。
104歳だった。
童謡「ぞうさん」は有名だ。

まどさんのお書きになった「百歳日記」
大好きな本で、必要なときに元気をもらえる、
「心のビタミン剤」…のような本だ。
そのなかから、数箇所、抜粋させて頂きます。




百歳日記



「何かというと嫌いだの、
ひどいだのと言ってはすぐに刃物を持ち出したり、
鉄砲を持ち出したりするようになることが
戦争の元々の原因になることが多いのだし、
それを大げさにするのが戦争ですから。
自分と反対だという人のことを、否定するのは自由だけれども、
だからダメだと言ってそいつに害を与えようとするのは、いけないことだ。
ただ、説得するのはいいことだというふうに、
いまの私は考えております。
生き物のすべてにいえることですが、
幸せというのは心が穏やかで和やかなときだと思います。
つらくて胸騒ぎがするようなときはお金や名誉があっても、
きっと不幸なのじゃないでしょうか」

「社会生活をする中で迷惑になるようなことは
絶対にいけないですけれど、そうでなければ、
見かけがちょっと悪いとかなんとなく人様にはいいづらいとか、
そんなことは問題にしないで、どんどん自分のやりたいことをする。
それが一番必要なことではないかと思います。
私はもう百歳ですがみなさんの可能性は無限です」

「百歳になるっていうことは、
百歳のいままでようやってきたなと過去を振り返ることでもあり、
これから先、
明日死んでしまうのかもしれないという現実を見ることでもあります。
どっちも見えているようで、そこには必ず涙ちゃんがいてくれる。
それだけのことでございます。
百歳はありがたい人生でした。
ラッキーな人生でした。
生かしてもらえた幸せに感謝しております。
本当にありがとうございました」

以上、「百歳日記」からの抜粋でした。
ご冥福をお祈りいたします。

(飯村和彦)


【追記】(本文訂正について)

当初、世田谷区立弦巻小学校の校歌について、
その作詞者を「まどみちお」氏と書きましたが、
正しくは「サトウハチロウー」氏でした。
我が家の子どもたちの通っていた学校にもかかわらず、
とんだ勘違いをず〜っとしていた訳です。
「世田谷線」さんからのご指摘で分かりました。
みなさん、どうも失礼いたしました。
したがって上記本文から、当該部分を削除いたしました。
(4月12日)



newyork01double at 12:28|PermalinkComments(0) 東京story | 気になるBOOKs

2014年02月01日

ボストン爆弾テロ事件で「死刑」求刑へ!



1月30日。ホルダー米司法長官は、
去年4月に起きたボストン・マラソン爆弾テロ事件で、
4人を殺害し多数を負傷させたとして起訴された
ジョハル・ツァルナエフ被告(20)に対し、
「死刑」を求刑する方針を明らかにした。

下の写真にある銃弾の痕は、
ツァルナエフ兄弟と警察による銃撃戦の際にできたもの。
当時現場をまわり、自分の目で確認できただけでも、
似たような弾痕が、少なくとも数十はあった。




dannkonn

(↑↓photo:Kazuhiko Iimura)

ボストン爆破テロ関連写真




この場所で、
ツァルナエフ兄弟の兄タルメラン容疑者は警察に射殺され、
弟のジョハル被告は、
その兄の射殺体に逃走車両で乗り上げ、
さらに数メートル引きずった後、住宅街へ逃げ込み、
あのボートに潜伏したのだった。

参考までに、
銃撃戦の現場に残されたおびただしい数の弾痕のほとんどは、
警察が発砲した銃弾によってできたものだった。

二つの爆弾が炸裂したあの日、
そして、ジョハル容疑者が確保されたあの日、
いったい何があったのか?
裁判での判決にあたってはその詳細がより明らかにされるのだろうか。

実行犯ツァルナエフ兄弟は、
テロ組織の後ろ盾のないロンリー・ウルフだった。
彼らが“いとも簡単に…”テロ行為を実行しえた背景とはなんだろう。
さらに、
卑劣なテロの犠牲になった人たちとその家族。
彼らは今なにを思い、
どんな時間を過ごしているのだろうか。


(飯村和彦)


newyork01double at 01:15|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | テロとの戦い

2014年01月11日

アメリカ記録的な寒波、凍りついた滝!



2014年のアメリカは記録的な寒波で幕開け。
ニューヨークをはじめ、各地で非常事態が宣言され、
シカゴなどでは、
海というか、湾内全体が凍りついたらしい。

もちろん、
マサチューセッツ州アマーストもその例外ではなかった。
雪の量はそんなに多くなかったけれど、
ともかく気温がね。
朝起きて外の寒暖計を見ると、

「あっ、きょうは−15度Cだ」

というような具合で、
ともかく空気が冷たくまさに耳が切れるような…状態。
だから当然空から落ちてくる雪は、
これぞパウダースノーという感じでサッラサラ。
細かくて信じられないほど軽いわけ。

冷たい風に吹かれると、勢いよく舞い上がり、
森の中や木々の彼方に吹き飛ばされていく。

そんな日が二日ほど続いたあとの1月5日午後。
(確か日曜日だったね)
「散歩にでも行く?」
「じゃ、池にいって滝でも見よう!」
ということになり、
息子と二人(娘と妻は外出中)スバルで出かけた。

池というのは「Puffer's Pond」
その池には、綺麗な滝があり、
夏には、絶好のマス釣りポイントになる場所だった。
我が家から車で約15分、
森の中の道路を抜けると、
そこには想像以上の「創造物」があった。

(ほとんど)凍りついた滝。
以下が、その写真。どうぞご覧あれ!




滝1





滝6





滝3





滝4





滝5




そして、(↓)は「凍った滝」の動画!






(飯村和彦)


newyork01double at 11:05|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | 週末だから!

2013年11月02日

写詩集「ダブル2」の日本語版、英語版が同時発売に!



やっと「ダブル2」(電子書籍)が、完成しました!
最後、難産でしたが、
日本語版、英語版が同時発売です。
いづれも以下の「amazon」のサイトから入手できますので、
どうぞ宜しくお願い致します。




ダブル2




日本語版(アマゾン・ジャパン)
「ダブル2 普通って、なんだ?」

英語版(アマゾン・ジャパン)
「double2 The Freedom to Dream」








オリジナル版「ダブル」に登場していた「僕たち」は、
12年後のいま、どうなったのか。
さらには、
そんな「僕たち」と同じ時間を過ごしてきた大人たちは?
子どもが成長すること。
それは、大人たちにとっても成長するチャンスだったばず。
そのチャンスを大人たちはものにできたのか、できなかったのか。
「悔いることが多いなあ」
「誇れることってあったか?」
「やれやれ」…いろいろです。

最初に「ダブル」が出版されたとき、
子育て世代以外で、いちばん熱心に支持してくれたのは、
女子中高生のみなさんでした。

そんな彼女たちもいまでは成人して、
「普通」ではない、ひとりひとり「特別な」女性になっているはず。
なかには母となり、
当時の「僕」のようなお子さんをお持ちの方もいるでしょう。
彼女たちの目に今度の「ダブル2」はどう映るのか、
大変興味深いところです。







この本は190ページほどのものですが、
半分が写真、残り半分が、短い「語り」です。
たぶん、楽しみながら、サクサクとページをめくっていけると思います。
改めて、
みなさまのご支援よろしくお願いします!


飯村和彦


newyork01double at 12:03|PermalinkComments(0) 家族/ 子育て | カッコイイ英語

2013年10月19日

アマーストを快走する胴長バス、運転手は?



アマーストの紅葉。
今年は、いつものように華やかではない。
原因は、ある日の午後の突風。
イチョウやらカエデやら樫の木の葉が、
「おおう、やっと黄色に、オレンジに…」
というとき、
数時間吹き荒れた風が、
色づき始めた多くの葉を吹き飛ばしてしまった。





紅葉2013





しかしまあ、そんなこともあるだろう。
いちいち目くじらを立てることでもない。
上の写真は、我が家の近くにある大きなカエデ。
毎年、紅葉の季節到来を真っ先に教えてくれる木だ。

さて、話は変わって「バス」のこと。
下の写真に写っている「長〜いバス」だ。
確か、
2020年東京オリンピック決定!にまつわるニュースでも、
“台場会場と都心を結ぶシャトルバス”という話で、
この胴体の長いバスが紹介されていたはず。




ロングバス1




アマーストでは、今年9月から導入された。
そもそも当地のバス網は良くできていて、
なんでも「世界有数」…らしい。
まあ、その“有数”の程度は判然としないけれど、
確かに、非常に使いやすい。
時間通りに運行され、おまけに料金は「無料」だ。
これ、アメリカではとっても珍しいことだ。

では、なぜそんな芸当ができているのか。
その理由は実に明快で、
「そんなバス網が必要だったから」

アマースト周辺には、有名な大学が5つ集まっている。
全米屈指の難関校、アマースト大学をはじめ、
ハンプシャー大学、スミス大学、マウントホリヨーク大学、
そしてマサチューセッツ州立大学(通称、UMass)。
すべて人気のある大学だ。
これらの大学は「ファイブカレッジ」と呼ばれ、
一定の割合で、
互いの大学の授業を受けられる仕組みがある。

で、この5つの大学を学生が行き来するために、
「優れたバス網」が「必要」な訳なのだ。

なかでもUMassは巨大で、学生数は3万人を超える。
そんな多くの学生に、
交通手段として「自家用車」を使われたのではたまらない。
いくら広大な土地の広がる地域でも、
5つの大学を結ぶ幹線道路や、
それぞれの大学のある街に車が溢れる。
そんな「自家用車問題」を避ける必要から、
「優れたバス網」ができあがったわけだ。

バス網の運営には大学が資金をだしている。
運賃が無料なのはそのためだ。
したがって、
本来は(=建前では)“大学生や学校関係者向け”なのだが、
まあそんな硬いこというなよ…、という訳なのだろう、
当然、一般市民も利用している。

で、冒頭に紹介した長い胴体のバスだが、
これって結構運転が難しいのでは…と思うのだが、さて?




ロングバス2交差点




交差点では、上の写真のような具合だ。
2両編成の電車が90度のカーブを曲がるようなもの。
「内輪差やら後方確認やら、運転に気を使うだろうなあ…」
と他人事ながら、あれこれ考えてたら、
車内に下のような、学生アルバイト募集広告が…。




募集広告




「運転手募集。時給:9ドル75セント(約970円)から」
仕事の性格の割には時給が安いのでは?
さらには、
学生アルバイトが公共バスの運転をするという事実。
これなんか、日本では考えられないことでは?
(日本では、間違いなく、あれこれ法規制がある筈)

「でもまあ、胴長バスはやっぱり別なんだろう」
などと思っていたら、まったくそんなことはない。
その数時間後、
胴長バスを楽々と操る、女子学生運転手を目撃した。




運転手




いやはや、逞しい。
というか、アメリカらしい。
というと、あまりにもステレオタイプなものいいになるが、
そうはいっても、やっぱりちょっと驚いた。
東京の郊外でもいい。
そんなところを走る胴長の公共バスの運転手が、大学生。
これって、想像できますか?
腕が良ければ大歓迎!おまけに賢くて低コストだし…
たぶん、それがこの地域の考え方なんだろうなあ。

(飯村和彦)


newyork01double at 02:28|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | 世界の風景

2013年06月06日

庭先の木はヤマボウシだった!



ずっと、「なんだろう…」と思っていた前庭にある木。
で、しばらくぶりにネット検索したところ、
「Kousa Dogwood」との名前だった。
普通のDogwoodなら見て分かるつもりなので、少し違う…のだろう。
ちなみにDoogwood(ハナミズキ)は、
キリストの十字架に使われたとされる木だ。

ならばKousa Dogwoodの日本名は…と思い調べてみてると…
「ヤマボウシ」とあった。
漢字では山法師、または山帽子と書き、
やはりというかなんというか、
「ハナミズキ」(アメリカヤマボウシ)の近縁らしい。




ヤマボウシ1




ちなみにヤマボウシの花。
4枚の花びらのように見えるのは花びらではなく、
花を包んでいた総苞片(そうほうへん)と呼ばれる葉の一種。
長さは3〜5僂農茲尖っているのが特徴。

近縁のハナミズキの場合は、
先がくぼんでハート型になっているらしい。
本当の花は4枚の総苞片の中央に十数個集まっているもので、
よく見ると、
4枚の花びらをつけた小さな花を咲かせているのがわかる。


ちょっと興味が沸いたので、
もう少しだけ「Kousa Dogwood」について検索してみると…


Kousa Dogwood, Cornus kousa, is an Asian flowering dogwood.
Kousa dogwood is good for the home landscape.
Originally native to Korea, Japan and china,
it has no serious disease or insect problems in the United States.
Kousa Dogwood blooms later than the native Dogwood、
and their blooms attract bees and butterflies.
The Kousa Dogwood also has fruit that attracts birds and squirrels.
Believe it or not, the fruit is edible to people.


この説明ではKousa Dogwood、
もとは韓国や日本、中国などアジアのものらしい。
害虫や病気に強く、花は蜂や蝶を魅了。
さらにその果実は、鳥やリスの好物で、
おまけに「人間が食べてもいい」
…という書き方ではないがまあそんなところ。
Believe it or not…




ヤマボウシ2




次にヤマボウシで調べると、
あれこれ説明があり、果実については以下のように説明されている。


果実は集合果で9月頃に赤く熟し、
直径1〜3センチで球形、食用になる。
種子は約3ミリで、
大きい果実には3〜4個、小さい果実では1個入っている。
果肉はやわらかく、
黄色からオレンジ色でありマンゴーのような甘さがある。
果皮も熟したものはとても甘く、
シャリシャリして砂糖粒のような食感がある。
果実酒にも適する。


ほほほー!
つまり、秋になると、
マンゴーのような味の果物が庭先で実る…ということだ。
いやあ、悪くないなあ。
山法師、いいじゃない。
なんでも調べてみるものだなあ…本当に。


(飯村和彦)

newyork01double at 12:27|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | 地球環境を眺めると…

2013年05月12日

大きなカメが庭にやってきた!



気分転換にカメの話を…。
きのう夕方のことだ。
隣の家に住むおばあさんが声を掛けてくれた。

「庭にカメが来てるよ。
毎年この時期になるとフィールド奥の池にいくから…」
さっそく庭にでてみると…いた。





kame1



亀2





結構大きなカメで、
甲羅の大きさが30〜40センチ、体長だと50センチ以上。
「Snapping Turtle」
日本でいうところのカミツキガメだ。
冬場は砂や泥、落ち葉や倒木などの下、
植物の根元、水辺に空いた穴などで冬眠しているらしい。

そのカメを出迎えているのが猫のリンク。
毎日わが家に遊びにくる近所の猫だ。
たぶん、というか間違いなく、
リンクは、年に一度庭を通り抜けていくカメを見つけては、
毎年同じように出迎え、そして見送っているに違いない。
彼女にとっても、カメの登場は季節の風物詩なのかも。





neko to kame b





ゆっくり休み休み歩くカメのペースにあわせて、
猫のリンクも同行する。
芝草の上、花壇の中、そして森の中へ。
先回りしたり、後ろに回ったり、
ときには心配そうに眺めたり。

で、カメが果敢に丸太を乗り越えて(これ凄かったなあ)、
森の中をガサゴソと進んでいるときだった。
猫のリンク、
一度だけ左前足の先でカメの甲羅を「トン」とたたいた。





猫の手





「よう!」なのか、
「大丈夫?」なのか、
「頑張れ!」なのか…。

まあ、好奇心旺盛の猫のことだから、
どうしても我慢できずに一度だけ狄┐辰討澆拭蹇
というのが本当のところなのだろう。
ともかく後にも先にも、
リンクがカメにちょっかいを出したのはそのときだけ。

30分以上かけてカメが森を抜けてフィールドにでると、
猫のリンクはお役御免とばかりに、
とことこと小走りに彼女の家に帰っていった。

一方カメの方はといえば、まだまだ道半ばである。
池があるのは広大なフィールドの反対側、
距離にして200メートル以上先だ。
芝やら露草やら白つめ草やらタンポポやらの中を
カメ、懸命に歩いた。

20〜30メートル歩いては1〜2分休憩のペース。
休憩中は頭を草の上に突き出して目玉をぎょろり。
もしかすると、池のある方向を確認しているのか…
まあ、そんなこんなで約1時間。
カメ、無事にフィールドを猜發ぬけ″、
森の中にある静かな池に到着したのだった。





kame&noa2
[いい週末だ…息子とカメ]





参考までにこのカミツキガメ、食性は雑食。
昆虫でもカエルでも藻でも茎でも何でも食べるらしい。
繁殖形態は卵生。産卵の時期は5月から6月。
一回に20〜40個の卵を産むという。そして75〜95日で孵化。
で、次がとっても興味深い。
発生時の温度により、
性別が決定(温度依存性決定)するという。

20℃で、メス
21-22℃だと、オス・メスどちらか
23-24℃だと、オス
25-28℃だと、オス・メスどちらか
29℃で、オス
そして、
30℃以上の環境下に4日以上さらされた卵はメス。





野原の亀





本当なの…とも思うけれど、
生物学的調査の結果なのだろう。
でも、自然界では気温が一定ということはないから、
その辺のところはどうなっているのか不明。
発生時…っていっても、それは一瞬ではないだろうし…。
正確に知りたければもっと調べればいいのだけれど、
まあいいでしょ。
マサチューセッツで、カメ博士になる訳でもないし…。
ともかく、カメさんお疲れさん!
あれだけ歩いたんだ、
池の水、さぞや気持ちいいだろうなあ。





泳ぐカメ


(飯村和彦)


newyork01double at 06:03|PermalinkComments(0) マサチューセッツ州・Amherst | 週末だから!

2013年04月04日

SUBARU(スバル)、よく頑張ってるなあ!



アメリカ自動車業界が好調だ。
たぶん、そういっていいんだろうな、と思う。
車の運転をあまり得意としない自分には、
ある意味どうでもいいことだけど、
経済の在りようを知るうえでは、
大切な要素の一つだ。

きのう発表された、
今年3月の全米での自動車販売台数(対前年3月比)を見ると、
アメリカ自動車メーカーの数字がいい。

GMの6.4%増を筆頭に、
フォード5.7%増、クライスラー5.0%増。
一方、日本メーカーはというと、
トヨタ1.0%増、日産1.0%増。
ホンダが7.1%増で、なんとか気をはいた…。

とまあ…そんな内容のニュースが、
きのうきょう日本でもアメリカでも流れた。
ネットでチェックしたが、
NHKにしても民放しても、大方そんな報道内容だった。

けれども、
本当にそれだけでいいのかなあ…と思うのだ。
下(↓)は、本日(4/3)付けのニューヨークタイムズの記事。



NYT



「今年3月の伸びは2007年以降最高」
としたニューヨークタイムズの記事も、
内容的には先に記したニュース内容とほぼ同じなのだが、
その紙面に掲載されていた、
メーカーごとの車の販売台数を示す「表」に、
実に、興味深いデータがのっていた。

表の一番下にある「SUBARU(スバル)」の数字だ。
販売台数は36,701台で、GMの245,950台には遠く及ばないが、
前年3月期との比較では、なんと「13.3%増」と驚異的な伸び。
ホンダやGMの2倍以上の伸び率なのだ。
(追記…実はこれで16ヶ月連続で前年実績ごえ。今年1月は21.3%増だった)

確かに全体のシェアは2.5%で決して大きくはないが、
だからといって、
ニュースでまったく触れない理由にはならないはず。
電気自動車のステラや、
オバマ大統領肝いりのフィスカー(電気自動車。破産申告を検討中)など弱小ではなく、
スバルは、全米でネットワーク販売しているメーカーなのだから。

百歩譲って、
アメリカのメディアが触れないのはまあ仕方ない。
しかしだからといって、
日本の一般メディアがまったく触れないというのはおかしい。
スバルの何が、そんな売り上げアップをもたらしたのか、
少しでもいいからその点を伝えるメディアがないのが情けない。

寄らば大樹…で、
大きなところだけを見ているのなら、そんな記者はいらない。
米国でスバルの奮闘を見ていればなおさらだ。

もしかすると、
「いやあ、紙面の都合(字数)で…」とか、
「前に少し触れたから」とか、
「放送時間の問題で…」とか、
あれこれ言い分はあるのかな?
でも、所詮そんなのは言い訳、抗弁でしかない。

小さくても、スバルがきちんと勝負できている理由。

アメリカ自動車業界の全体像の中に、
そのポイントを入れられない訳がないじゃないか。
たとえひと言しか触れられなくても、
見る人はその先を読めるのだから。
そして、
たぶん多くの人たちは、そんなニュースを見たいのだ。
そこが知りたいのだ。

断っておくけれど、
なにも自分は、スバルのまわしものでもなんでもない。
去年の秋にもこのブログで、スバルについて書いたけれど、
だからといってスバリストでもない。

(飯村和彦)


newyork01double at 03:43|PermalinkComments(0) 取材ノートより | マサチューセッツ州・Amherst

2012年12月13日

見たまま、感じたままを、言葉に!



ハードディスクに保存している
写真の整理をしていたら、
とっても懐かしい一枚がでてきた。
↓の写真(ドリルの答案)は、
娘が6歳になったばかりの頃に書いたもの。
小学生の兄を真似て、
お遊びで国語のドリルをはじめたころだ。

設問は、
絵に合う挨拶の言葉を「選ぶ」ものなだろうが、
娘、そんなことは気にしない。
絵をみて、彼女なりに感じたことを、そのまま言葉にしていた。



万弥のあいさつ!



,はようございます。
△じゃましました。
おいしそう。
いいしかった。
イい修い任い襦
Δいってきた。(かえってきた)


どうだろう?
もしかすると「親バカ」といわれるかもしれないけれど、
私はこれを見たとき、
娘の書いたそれぞれの「言葉」に、めまいを覚えるほどに感動した。
決まりきった挨拶なんかには見向きもせず、
(多分、問題が何を求めているのか分からなかっというか、頓着しなかった)、
自分の感じたままを、
思った通りのことを、
そのまま言葉にしていた。

どれもこれも絵とぴったりの表現じゃない?

「これってタカラモノだ」
そう思ってすぐに、ドリルの紙面を写真に収めたのでした。
もちろん大きな花丸で120点!

あれからもう8年。
いまの娘、
もし選択肢がなかったら、どんな表現にするのだろう。
とっても興味があるけれど、
たぶん娘、ふふん…と笑ってお仕舞いかな。
まあ、それはそれでいいのだけれど。

(飯村和彦)



newyork01double at 20:36|PermalinkComments(0) 家族/ 子育て | ダブル秘話

2012年10月12日

「スバル」、アメリカで快走中!



マサチューセッツ州アマースト。
この街に越してきてすぐ、あることに気づいた。

「やたらとスバルが走ってなあ」

信号待ちの車の群れ、
レストランの駐車場、
街中の道路沿いのパーキング、
そこには「必ず!」スバルがある。
東京では考えられない頻度でお目にかかるのだ。

で、自分なりに納得していた。
「この一帯には山や丘が多い。
おまけに冬は冷え込み、雪も少なくない。
スバルにはもってこいの市場なのだろう」…と。

もちろん、その見方は間違いじゃなかった。
ここ米国・ニューイングランド地方は、
スバルの持つ「技能」(高い安全性や走行性)が、
より発揮しやすい地域であることは確かだから。

けれども、
あれこれ調べてみると、
スバル車がやたらと多いのはそれだけの理由じゃないようだ。



スバル1
(アマースト大学駐車場、photo:Kazuhiko Iimura)



まずは、今どれぐらい「スバル」が好調なのか。
数字で見てみると…

世界販売は今期、前期比13%増の72万台。
2年ぶりに最多記録を塗り替える。
そして史上最高益!
日本国内工場は24時間フル稼働状態。
その半分がアメリカ向けである。


「スバル」人気、いまや全米規模に拡大中!

アメリカ北東部のニューイングランド地方や山の多い地域には、
「スバリスト」と呼ばれる人たちいて、
彼らは、スバル車で大いなる自然を疾走している。
まあ、これは理解できる。
スバルならでは「走り」が堪能できるわけだから。
それがこのところ、
これまでの地盤だった山岳地帯だけではなく、
西海岸のロサンゼルスやアトランタ、
ダラス、オーランドなど南部でも販売が急増している。

アメリカの有力な消費者情報誌「コンシューマー・レポート」が発表した、
2012年の自動車メーカーランキングでは、
「スバル」が堂々の1位を獲得!
部門別でも、
「インプレッサ」が小型セダン部門で首位になっている。



スバル6



成功の鍵は?

各種報道を総合すると、スバルの成功の秘密は、
ドライバーの好みをしっかり理解していることにつきる。
スバル好きの客層は、知性的で、新しいものへの関心が強い。
年齢では、業界平均よりも3歳若く、
その四分の一以上が大学卒だといわれている。
さらに、
自由を好み、経済力はしっかりしている。

「平均所得は88,000ドル。これはホンダとほぼ同じ、
トヨタよりも1万ドル高い」
(市場調査会社Strategic Visionデータ)

その一方で、彼らは倹約家。
自分の経済力で余裕をもって買える車を選ぶ。
36%は、現金で車を買うという。

スバル・オブ・アメリカのマーケティング責任者は…
「スバルに乗る人々は高級車のオーナーとは違い、
品物を買うのではなく、経験を買っているのだ」と説明。
「堅実な購買層にセンスある商品を提供することで、
市場環境の悪化した2009年を乗り切り
その後、過去最高の販売と市場シェアを獲得した」



スバル3



ちなみに、
増産を続けるスバルのインディアナ州の工場。
この工場は、野生生物保護区域(環境保護地域)に立地しているため、
埋め立て地に送るような廃棄物をださないことが義務付けられているという。

ここに工場をつくったのは、
環境保護に取り組んでいるスバルの理念からだが、
結果として、
環境保護に関心をもってる人からの強い支持を得ている。
同時に、構築される「ブランド力」は当然強い。



スバル2



メインストリート
(アマースト・センター、photo:Kazuhiko Iimura)



スバル、いいじゃない。
改めてそう思うようになったのは、
マサチューセッツに住みはじめ、
街中を快走する多くの「スバル」を日々目にするようになったから。

もう10年以上前になるけれど、
東京で経済系の報道番組を担当していたころ、
富士重工の社長がゲストとして番組に登場した。
そのときの社長のコメントが印象的だった。

「わが社は“ふかぼり”ですから」

水平対向エンジンやら四輪駆動技術。
スバル車の安全性と走行性は、
車種を少数に絞り込み、技術面等々で深く掘り込んだ結果…。

で、考える。
こんど車を買い替えるときがきたらどうしようか…と。
いま我が家には、古〜い「サーブ」(おまけにコンバーティブル)がある。
それも親戚からの「おさがり」だ。
そう遠くない将来に走れなくなるだろう。
さてそのとき「スバル」を選ぶのか?
どうだろう…
まあ、そのときだ。

(飯村和彦)

newyork01double at 08:58|PermalinkComments(0) 取材ノートより | 週末だから!

2012年10月04日

米国・シェールガス革命の「明暗」〜経済発展と環境破壊〜



IEA(International Energy Agency=国際エネルギー機関)は、
「近く、地球全体が、天然ガス黄金時代に入る」と予測している。
その根拠が、シェールガス。

「シェールガス」とは、
シェール層と呼ばれる地層に含まれる天然ガスのこと。
これまで採掘が難しかったが、
「水圧破砕法」と呼ばれる新技術により、
通常の天然ガスと同程度の費用で生産可能になった。

シェール層はカナダ、北米で多く見つかり、
急ピッチで掘削作業が進んでいる。

米国メディアの紙面には景気のいい見出しが溢れる。

「シェールガスブームは、
すでに60万件の新しい雇用を生み出し、
2025年までには160万件になる」
「アメリカ経済再生の切り札になるのでは」との期待から、
一部にはゴールドラッシュの再来…との声まで!

ところが!

シェールガス生産には大きな副作用が伴う。

環境への悪影響である。
採掘作業による地下水や河川の汚染。
さらには、
「地震」を誘発するとの報告もある。

北米大陸同様、
シェールガス埋蔵量の多いヨーロッパでは、
フランスとベルギーが、
水圧破砕法による掘削を禁止した。

いまアメリカで沸き起こる、新エネルギー・シェールガス革命。
そこにある「光と影」とは?



シェールガス



まずはシェールガス革命の「明部」から

1)シェールガスがもたらす明るい未来

「多くの新雇用の創出」
「シェールガスは、すでにに60万件の新雇用を生み出し、
2025年までには160万件になる」(HIS Global Insight)

「天然ガス価格は2008年より80%低下。去年一年間だけで45%も下がった」

「2025年までに石油輸入量が20%減る」

「今後10年では、3割から4割、原油輸入量を減らせる。
4割だと年間およそ$160billion
それがこの先ずっと続くことの経済効果は計り知れない」
「大幅減税と同じ効果をもたらす」
( Moody’s Analytics)

そして、
米政府やエネルギー関係者が夢見るのが、

「Energy independence(エネルギー自給)」

シティグループの分析によると、
米国は2020年までに「エネルギー自給」を達成。
同時に原油や精製石油製品、天然ガスの輸出国になりえるという。

すると…

(エネルギー自給が達成されると)
350万件の新しい雇用が創出され、
失業率は2%減る。

そのうえ、

エネルギー自給(エネルギー輸入に掛かっていたコスト軽減)により、
製造業ほかで構造改革が進み、輸出競争力も高まる。

最近では、
シェールガス埋蔵量の多い北米、カナダ、メキシコのことを
「”New Middle East”(新たな中東=北米、カナダ、メキシコ)の誕生!」
と表現し、その価値を強調する向きまである。



2)“シェールガス革命”に沸く現場
ペンシルバニア州ウィリアムズポートでは…

「6つの新しいホテルが誕生」
「約100の企業が街に入ってきた」

「2010年の経済成長率は7.8%、全米でもっとも早く経済成長している都市」

もちろん、
ペンシルバニア州のトム・コルベット知事の鼻息も荒い。
「長い間失業していた人が、職につけた。
まさにゴールドラッシュならぬ“シェールガスラッシュ”。
家や店、レストランへの需要も高くなった」

「ピッツバーグ郊外に天然ガスから薬品をつくる新しい化学会社ができる。
これだけで10000件の建設関係の仕事が生まれる!」



3)新エネルギー革命の発端は?

約12年前、
テキサスの試掘者、Geoge Mitchell(ジョージ・ミッチェル)が、
「水圧破砕法(hydraulic fracking)」という天然ガス掘削技術を商業化。
これがニューエネルギーブームに火をつけた。

水圧破砕法とは、
大量の水、化学薬品、砂を使い、
岩盤の中にあるガスを出す技術。
この方法では、ガスの含まれた岩盤を水平に掘っていくため、
これまでの垂直掘削より簡単に多くのガスや原油を産出できる。

水圧破砕法によって、
これまで割高だった
シェール層(=頁岩(けつがん)層)に含まれるオイルの採掘が、
安くできるようになった。

その結果、アメリカ国内の石油生産量は…

シティグループ予測:2015年までに「現在より3割」増える
アメリカ政府の予測:2020年までに「22%増加」。一日あたり670万バレル

ちなみに、
いま世界では、一日あたり8600万バレルの原油を生産している。
そのうちの1900万バレルをアメリカ消費。
米国政府によると、
一日に消費する1900万バレルのうち、890万バレルが輸入で、
そのうちの420万バレルが中東(OPEC)からの原油。

つまり、シェールガスの開発により、
アメリカ国内でエネルギー革命が進展して、
海外(特に中東諸国)に頼っている原油の一定量を国内で賄えるようになれば、
米国経済は劇的に変わる…と考えられているのだ。


しかし、シェールガス革命には大きな「副作用」が!



シェールガス革命の「暗部」とは?

1)水圧破砕法にシェールガス掘削は、環境に深刻な悪影響を与える!

イギリスの環境保護団体は、
水圧破砕法によってアメリカの地下水が汚染されていると警告。
フランスとベルギーでは、
すでに水圧破砕法による掘削を禁止した。

さらには、
「地震」を誘発する危険性もあるといわれている。

イギリスの会社、カドリラ・リソースが、
イギリス北西部で掘削を始めたところ、
現場近くで二度地震が発生。
そのため昨年春から掘削作業を中断している。
カリドラが後に発表した調査報告では、
水圧破砕法が「地震」を誘発したとしている。



2)汚染現場を検証:アメリカ河川の危機=「サスケハナ川」

サスケハナ川とは、アメリカ東海岸最長の川。
ニューヨーク州に始まり、ペンシルバニア州とメリーランド州を抜けて、
ワシントンD.C.のチェサピーク湾に流れ込む。
ペンシルバニア州の東部3分の2を占めるなど、
流域面積は7万1224平方キロに及び、
天然ガスの採掘地域「マーセラス・シェール」も通過する。

また、600万以上の周辺住民の水源としても利用されている。

実はこのサスケハナ川がいま、
深刻な危険に晒されつつあるという。

環境保護団体「アメリカンリバーズ」が毎年発表する
「アメリカで最も危機に瀕している川」というリスト。
このリストは、「最も汚染された川」ではなく、
「今後数年で運命が決する岐路に立っている川」を対象にしている。

その2011年度のトップが、サスケハナ川だった。
理由としては、この川の流域に含まれる
「マーセラス・シェールの採掘地域」を主な汚染源として挙げている。
この場所は近年、豊富な埋蔵量の天然ガスを目当てに、
急速に開発が進んでいる地域である。

汚染の理由は、「水圧破砕法」だとしている。

地下のシェール層から天然ガスを取り出す
「水圧破砕法(フラッキング)」は、大量の水を消費する。
砂や化学物質を含む大量の水をポンプで圧送し、
極めて高い圧力で気孔のない岩石層を砕く。

環境保護団体は、
「フラッキングの廃水は人体に有害で、発がん性の可能性もある。
しかし、現在ほとんどの施設で適切な廃水処理ができていない」
と懸念を表明し、
「地下や地表の源泉の汚染を防ぐ法律が不十分だ」
とも指摘している。



では、米国のシェール革命と日本の関係は?

シェールガスの米国内での生産量が、
ガス全体の2割に達した今、米国政府は次なる目標に向かっている。

「ガス輸出国にもなりえる状況になった」
(エネルギー省ポネマン副長官:2011年12月東京講演)

その実現に向け現在、
シェールガスを液体のLNG(液化天然ガス)にして、
輸出する基地作りが進行している。

これを受けて日本は、
そのアメリカ産LNGを輸入すべく動いている。

原則としてアメリカは、
FTA(自由貿易協定)を結んだ国にしか輸出を行わない。
そこでアメリカとFTAを結んでいない日本は、
「特別許可」を求めている。
今年中にもその結論がだされる予定だという。

現在日本は、LNGを中東や東南アジアからの輸入に頼っている。
おまけに価格はアメリカ国内価格の5倍と高い。
もし、米国から輸入できるようになれば、
輸入ルートを増やせるのはもちろんのこと、
「これまでより安く、LNGを買えるのではないか」と期待されている。

東日本大地震以後、
原子力エネルギーの代わりにLNGが多く使用されているため、
輸入量も急増中(去年38%増。今年は47%増の見込み)

日本でも今月(10月)3日、
石油開発大手の石油資源開発が、
秋田県にある鮎川油ガス田でシェールオイルの採取に成功した(国内初)。
国産資源の開発や、掘削技術の向上に繋がるとの期待されるが、
推定埋蔵量はわずか。
これで日本のエネルギー不足を解消する…とはいい難い。

「明と暗」が交錯するシェールガス革命。
新しいエネルギーはわれわれの未来を豊かにするのか、
それとも、大きな「負荷」を世界に与えるのか、
今後も注視が必要だ。

(飯村和彦)


newyork01double at 15:30|PermalinkComments(1) 取材ノートより | 地球環境を眺めると…