2008年06月

2008年06月30日

北極点の海氷とCO2と未来像



今年の夏、
北極点の海氷が有史以来はじめてなくなるかもしれない。
コロラド州の研究者がそんな予測を出したという。
地球が、喘ぎ苦しんでいる一つの象徴のように思える。
温暖化防止、CO2削減…。
そのために実行できることは山ほどあるだろう。

今朝の朝日新聞には、この他にも、
CO2削減に関する記事が数本掲載されていた。


朱色の空とWTC


早稲田大学は、
九つあるキャンパスから排出されるCO2削減を進めるため、
電気・ガスの使用料を減らしたキャンパスが、
削減額の半分を学生への奨学金として使えるようにするという。
目標は、12年度までに約10%のCO2削減だそうだ。

また、東京大学では、
キャンパスにある約3万6000台の照明器具を、
08年度中に消費電力が半分ですむ機種に交換するという。
自分たちにできることから始める。
素晴らしい試みだ。

では、国や行政機関の方はどうだろう。
このところ議論になっているのがコンビニの深夜営業の規制だ。
現在、全国の10の自治体が、
コンビニの深夜営業の規制や自粛要請を検討しているらしい。
これに対してコンビニ側は、
「16時間に営業時間を短縮しても、
CO2削減効果は0.009%(国内全体で見た場合)しかない」
として反発している。

さて、ここで一考。
CO2削減のためには、それぞれが、
自ら進んで”出きることから始める必要がある。
つまり、誰かに強いられてやるのでは効果が出難い。

その意味では自治体によるコンビニの深夜営業規制は、
たとえ実施されたとしても効果に期待できない。
これが、コンビニ側から出た提案であったなら、
「いいじゃない」という思いにもなるのだが、
自治体の要請では話にならない。
ならば、国や自治体はどんな努力をしているのか、といいたくなる。
例えば日本全国の役所も、照明機器を省エネタイプにでもしてみたら?
「居酒屋タクシー」にお世話になっている霞ヶ関は、
“自ら進んで”どんな省エネ対策をしている?
自分たちのことは棚に上げ、他に対策を求めるばかりじゃない?

無駄をなくすといっても、どうでもいいようなところばかり。
マッサージチェアやグローブ等々の購入は控えるとしたが(当然だ!)、
無駄な道路はつくり続ける。
技術革新で飛躍的に進化した太陽電池が開発されても、
この国の電力政策の根幹に変化はない。
毎年、数百億円もの莫大な電力予算が、
原発関連(自治体への補助金や“箱モノ”建設等々)に使われている。
その半分でも代替エネルギー開発に回せば、
未来像は確実に変わってくるはず。
それだけの知恵と技術開発能力を人間は持っているのだから。

ビルの壁や天井の表面が全部、タイルではなく太陽電池になったら?
個人住宅に応用できることも沢山あるに違いない。


タクシー3


数年前、京都のあるタクシー会社の省エネ対策を取材した。
そのタクシー会社では、
自分たちで考案・開発した「風車」をタクシーの屋根につけ、
走行中に(風力)発電。
夜間の行灯や料金表示灯のほか、
乗客への携帯電話充電サービスなどに活用していた。
とってもいいじゃない?
風車がつくる電力は大きなものではないが、
間違いなく、省エネや乗客サービスに繋がっている。
なにより、そのタクシー会社が、
自ら進んで出来ることから始めた”というのが意義深い。
そこには確固たるメッセージが載っている。

自動車そのものも凄い勢いで進化している。
あるメーカーは、
エンジンが発する熱を走行に利用する技術を開発中だという。

大切なのは、ことの大小じゃない。
それぞれが考えて能動的に動き、実行すること。
そんな行動が積み重なれば、
とっても大きな流れになるはずだから。


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夜の幻想アベニュー

(飯村和彦)


newyork01double at 17:55|PermalinkComments(0) 地球環境を眺めると… | 東京story