2009年04月

2009年04月13日

所謂、「大食い」について



ここ数年、「嫌だなあ」と思っていることの一つに、
「大喰い」がある。
テレビ番組でも何故か根強い人気があるらしく、
大喰いを売りにしたタレントまで登場。
日本中で数々の食材や料理を一度に大量に食べていく。


海老4


なかでも特に首を傾げざるをえないのが、
“大食い競争”的なもの。
ある番組では、制限時間のもと、
参加者が料理を次々に平らげていく。
「お代わりお願いしま〜す!」
手を挙げては、ただただ食物を口から腹の中に流し込んでいく。
「牛肉ステーキ、5キロ突破!」
なんてものもあれば、丼ものでは、
「米に換算して10キロを完食!」なんて具合になる。

常識的に考えて不自然極まりない。

“旨いものを腹いっぱい食べる”
これは誰もがもっている欲望だろうし、
時々の体調やら懐具合やらが許すのであれば、
否定すべき態度ではない。
けれども、
あの“大喰い”はまったく違う。

番組によっては、
「食べ物を大切にする気持ちで…」
「医師の管理の下で実施」
「特別な人にしかできないので真似をしないで…」
などと注釈が入ったりもする。
だが、“特別な人”とはどんな人のことなのか、
医師がどんな管理を行なっているのか、
いったいどんな態度で“食べ物を大切にしている”のか、
まったく説明されない。

“大喰い競争”に参加するタレントや参加者は、
多くの場合、スラリとした体型の人が多い。

一度に5キロ、10キロもの食料が胃の中に入った場合、
その後、体はどんな状態になるのか。
医学的に体調はどう変化するのか。
参加者は、料理を食べた後、どんな行動をとっているのか。
平らげた料理はきちんと体内で消化されているのか。

それらを隠さず、全てを詳らかにすべきである。
間違いなく、そんなことは出来ないのだろう。

ガツガツと肉を噛みながら、
「美味しい!」
水で、肉を胃に流し込んでは、
「お代わりお願いしま〜す」

まったく正しくない。
懸命に食材を作っている人たちに失礼でしょう。
食べ物を自由に手にできない人たちが見たら、どう感じるでしょう。
参加している人も、自分自身や食物をもっと大事にして欲しい。
短時間で沢山の食物を“体に入れること”。
それって、重要なことでもなんでもないでしょう。


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(飯村和彦)


newyork01double at 12:40|PermalinkComments(1) 東京story