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2005年10月19日

「ダブル」秘話:ハーフではなく、「ダブル」の理由



プロフィールのところに貼り付けてある、
「ダブル」というのは、どんな本なのか。
そんな声がメールで寄せられていますので、一応記しておきます。



ダブル本写真



「ダブル」は、
過去から現在に繋がっている私や妻、子供たちの「記憶」そのものです。
この本を読んだ私の知人は「私小説的フォトエッセイ」という、
長い形容詞をつけてくれました。

さらに、その「記憶」は、私たち家族だけのものではなく、
同じように家族の一員として生きている人、みんなの記憶とも、
必ずどこかで通底しているものです。
「ダブル」の中で「僕」が見せる表情は、
きっと皆さんの子供たちと同じであり、
自分が幼かった頃のものと相違ない筈です。



改定版、雨を見る


“今”を基点に考えれば、
過去の記憶の総量が増えることは、決してありません。
私自身は特異な出来事の記憶ではなく、
ごくごく日常的な 日々の記憶の方がより貴重であると考えています。

失われがちな記憶を、
なんとか自分の中に刻んでおきたい、


そんな想いでファインダーをのぞき、
「僕」の言葉を紡ぎだしたつもりです。

また、
タイトルの「ダブル」は、
「ハーフ」という言葉の代わりに、私たち夫婦が積極的に使っている言葉です。
「お子さんは日本人とアメリカ人の ハーフですか?」
と聞かれればいつも、
「そう、ダブルです」
と返答しています。
半分ずつではなく、それぞれが「全て」なのですから。

実際に写真を見て、文章を読んでいただければ分かるのですが、
「ダブル」は、
ページをめくり、短い文言を追っているうちに、
いつの間にか、
自分自身の子供時代
もしくは、
わが子の幼少時代の自分に、
タイムスリップしているような感覚になる本です。

著者である自分がいうのも照れ臭いのですが、
「いい感じ」の本です。

(飯村和彦)



セントラルパーク




newyork01double at 14:03│Comments(16) 気になるBOOKs | ダブル

この記事へのコメント

1. Posted by かえで   2005年10月20日 16:13
こんにちは。
先ほどは TBして頂き、ありがとうございます。
TVのディレクターさんなんですね。
「ダブル」・・・素敵な言葉ですね^^

肌の色や国の違いや男と女・・・人は色々と分けたがりますが、
私は、命あるものとして 同じであると思います。
冤罪と言うのは そういう人間の習性から起こり得る事もあるのではないかと思います。
本は必ず読ませていただきます。
また、伺わせていただきますね。
お知り合いになれて とてもうれしいです。
また、遊びにきてくださいねv(=∩_∩=)

>かえで様
 ありがとうございます。
 もし「ダブル」を読んでいただけるなら、
 読後の感想、楽しみにしてます。 
2. Posted by 羽音   2005年10月20日 19:07
こんばんは。
TBありがとうございました。他の記事も少しずつ読ませていただきます。
またよろしくお願いします

>羽音さま
 こちらこそよろしくお願いします。
3. Posted by ★前向きな心と人のぬくもり★   2005年10月20日 20:56
飯村和彦さん
 トラバ有難うございます。
ダブル、そうですね。両親がいて子どもがいる。二人分の愛情を受けて。
 またお立ち寄りください。

>前向きな心と人のぬくもり さま
 こちらこそ。また立ち寄らせてもらいます。
4. Posted by らみ   2005年10月21日 04:36
トラバありがとうございました。うちは3つの文化(日本・ラテン・アメリカ)が混じっているので、ハーフにしておくのも大変だと思ってたんですが、ダブルか。。。がんばります。

>らみさな
 なるほど。ダブルどころかトリプルですね。
5. Posted by むーみん@ママ   2005年10月21日 15:51
こんにちは! 私もお邪魔します(^_-)-☆
TBありがとうございました。

ダブル! 素敵です!
そうゆうご両親の自身を持った背中をみて
お子さんは、いい成長ができるのですね。
かっこいいいなと思いました!

>むーみん@ママさま
そんな格好言い訳じゃありませんが、
懸命に、でも楽しんできました。
よかったら、本に目を通していただけると嬉しいです。
6. Posted by 明るい空   2005年10月21日 20:59
TBありがとうございます。ニューヨークつい最近まで友人が住んでいましたし、きっと探せば知り合いは何人もいると思います。今日は体調が悪いのできちんとしたコメントはかけませんが、これから是非、チョコチョコとお邪魔させていただきます。そして、アメリカと日本、見える風景の違いを感じてみたいと思います。
素敵なBLOGに出会えて心より嬉しく思います。
まずは御礼まで。

>明るい空さま
 体調には気をつけてください。
 こちらこそ、よろしくお願いします。
7. Posted by はっちゃん   2005年10月22日 21:21
先日はTBありがとうございました。パソコン初心者のため、TBの意味がわからず・・・遅くなってしまいました。

これからゆっくりと、見せてもらいますが、暖かな気持ちになる写真ですねっ!(セントラルパークの写真)

ふっ、と力を抜いたときに、脳裏によぎりそうな写真です!

海外で絵描きをしている叔父を、なぜだか思い出してしまいました。(関係ないコメントですみません)

また寄らせて頂きます。

>はっちゃん様
 賛辞の言葉、ありがとうございます。
 関係のないこと(というか連想させる事象でしょうか)を、
 ふと思い出すさせる、
 これが写真の持ている特性の一つですね。
 私が「ダブル」というフォトエッセイを作ったのも、
 そんな思いからです。
8. Posted by kazurin   2005年10月22日 23:13
はじめまして、kazurinと申します。
先日はTBありがとうございました。
早速おじゃましました。

「ダブル」という言葉の重み深みに興味が湧きました。
ぜひ読ませて頂こうと思います。
ニューヨークは行った事ないのですが、行きたい街です。
サンフランシスコは3回行ったのですが。。

飯村さんのblogでニューヨークのこと、飯村さんの目線でいろんなこと教えて貰えたら。。。と思います。
ちょこちょこ寄らせて頂きます、よろしくお願いします。

>kazurinさま
 こちらこそよろしくお願いします。
9. Posted by Toba   2005年10月26日 23:30
トラックバックありがとうございました。
もうすぐハロウィンでしょうか。
在米中は、あのイベントを通して近所にどんな人が住んでいるのか知ることができたような気がします。
近所付き合いが希薄になった日本でも、このイベントが流行らないかなあと密かに考えています。

全然、関係ないコメントになってしまいました。すみません。

>Tobaさま
 日本でも、外国からの人が多くすむ地区では、
 ハロウィン、結構盛んです。
 六本木ヒルズから広尾にかけての地域では、
 毎年、子供たちが、
 飾りが施された家やマンションを回っています。
 大人も子供も、楽しそうです。
 
10. Posted by sakku_zukan   2005年10月31日 22:36
こんばんは。先日はTBありがとうございまいした。
「ダブル」という言葉、ステキですね。
半分ではなくて倍になると、ますます幸せになる気がします。
また、ゆっくり拝見させていただきます。

>sakku_zukanさま
 よろしくお願いします。
11. Posted by Nikolaus   2005年11月03日 20:22
はじめまして!

自分自身「ハーフ」と呼ばれて育ちましたが、この言葉に
それほど嫌悪感を抱いたことはありません。むしろ、
「ダブル」と言われる方が嬉しくないです。

この話題は、しばしば話合いのネタになって来ましたが、
「ハーフ」と呼ばれて育った当人たちより、親の立場の人
の方が過剰に反応しているように思います。

ちょっと宣伝まがいにですが“Die Kreuzungsstelle”と
名付けた自分のサイトでは、この「ハーフ」か「ダブル」
かの話題について書いてます。良かったら一度ご覧下さい。

>Nikolaus
 確かに、自覚をもった時には、既に「ハーフ」なのですから、
 仰ること、自然ですね。

12. Posted by Nikolaus   2005年11月09日 01:44
コメントありがとうございます。

補足ですが「ハーフ」も「ダブル」も、一人の人間をある「カテゴリー」にくくる言葉であって、「ハーフ」と言って来る人に「ダブル」と言っても問題を解決したことにはならないと思います。英語圏では"whole"と言う人もいます。ご参考までに・・・
13. Posted by 飯村和彦   2005年11月11日 11:03
>Nikolausさま
 その様ですね。
 また、「呼称」というのは過去から積み重ねられてきた、
 「通念」によるところが多いので、
 その呼び方自体に
 問題が内在していると捉えてはいません。
 子供の頃から「そういうものなのだ」と教えられてきたものが、
 すぐに変わる筈もないと思いますので。
 おそらく、全ては個々人の意識によるものでしょう。
14. Posted by Nikolaus   2005年11月12日 07:06
個人か社会かという問いは難しいですが、「ハーフ」の場合は社会、というかマス・メディアによって植えつけられた概念だと考えます。
「ゴールデン・ハーフ」ってご存知ですか、それが「ハーフ」という言葉を普及させてと言われています。芸能プロダクションが考えた名前が、メディアを介して(まさしくメディア=媒介ですよね)広まった。
「ハーフ」の場合は、単に個人の意識の問題とは言えないと思います。
15. Posted by 飯村和彦   2005年11月12日 12:28
仰る通りですね。
とはいっても、
社会通念は個々の意識でしか変えられません。
メディアが何を偉そうなことをいっても、
個々の意識がしっかりしていれば、流されないものです。
また、当たり前のことですが、
「意識」、言い換えれば「物事に対する見方」が、
多様であれば、それだけ社会は成熟していきます。
私は、そんな社会に生きていきたいと思っているし、子どもたちも、そうあって欲しいと願っています。
物事や概念は変わっていくものでしょうし…。
しかし、幸か不幸か、「ゴールデン・ハーフ」から「ハーフ」が広まり、この国では「それで良し」となっているとは知りませんでした。
参りますね。
16. Posted by yuya   2006年03月03日 17:04
 突然すみませんが、「ダブル」のお子さんの名前の付け方は如何なさいました? 片手間に調べてみたのですが、『名前・ミドルネーム・苗字』……はて? ミドルネームはどうやって決まるものなのでしょう? やはり最初に親御さんがつけるものなのでしょうか。それともなんらかの生活を歩んでいく過程で自然とつくものなのでしょうか? ご返答おまちしております。

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