東京story:猫の話:突然ですが、彼女も家族の一員なので…東京story:猫の話「娘のネコ」

2005年10月23日

NY’90:ある雨の日の情景より

<

b>No.7
raining cats and digs
ものすご〜い雨
Ex: It’s Raining cats and dogs.

もの凄い雨のこと。
前方が見えず、
とても車の運転など出来ないような、そんな雨。
短時間にザザーッと降る、マンハッタン特有(?)の雨だ。



壊れた傘2



ある雨の日の情景より
突然、ビルの谷間から見える空が暗くなる。
「危ない」
と思うまもなくザーッと降りだす。慌ててビルの入り口に駆け込む。
これで、
時間があるときはまだいい。
コーヒーでも飲みながら、雨の上がるのを待てばいいわけだから。
けれども、なにか用事のあるときは困ってしまう。

ものの10m、その中を歩いただけで全身ずぶ濡れになるだろうし、
よく足元を見ないで、
軽率に交差点を走り抜けようものなら、
川のようになって流れている雨水で、靴はグチョグチョになる。

ニューヨークの道路、
特に交差点の状態はひどいものだ。
アッという間に、踝(くるぶし)がつかってしまうほどの水が溜まり、
その水が行き場を探して川のように流れるので、
腕時計など見ながら信号が青になるのを先頭で待っていたりすると、
すぐさま、品のないイエローキャブに、
大量の水飛沫を浴びせられることになる。

仕方なく、傘を買ったりする。
雨が降りだすのを待っていたかのように、どこからともなく、
“黒い折り畳み傘”を抱えた連中が現れてくるし、
街角にあるデリ(Deki:簡単な食料品や日用雑貨、タバコなどを売っていて街のいたるところにある。大半を韓国人が経営)でも、
その傘は売っている。

しかし、これがお粗末。
ちょっとした風でキノコのようになるし、
面白いほど簡単に“ホネ”が折れたり、ナイロン製の“布”がめくれあがったり…。
その癖、ワンタッチで開いたりするから余計に腹が立つ。
中には、ボタンを押して傘を広げた途端、
その勢いに負けて、行き成り壊れるようなものまである。

それで5ドル。
雨上がり、ゴミ箱の中をのぞくと、
必ず! 何本かの“黒い折り畳み傘”が捨てられている。

日本でお世話になる500円のビニール傘が、いかに優秀なものなのかがわかる。
あの500円傘は、
すぐに薄汚くはなるものの、それなりに耐久性はある。



ギリシャ人の店



ところで、
この街の人たちは、元来、傘をあまり持ち歩かないように思える。
ましては、日本のおしゃれな女性のように、
“服装の色と傘のデザインを考える”などという人は数少ない。
多少の雨でも、
傘なしで、平気な顔で歩いているし、
少々壊れた傘でも一向に気にせずさしている。

「傘なんてすぐ壊れるもの。とりあえず、その場の雨さえしのげればいい」的なものの考え方なのだろう。
これも、すぐに壊れる“黒い折り畳み傘”がつくり上げた文化に違いない。

たまに、ヘンテコな奴を見かける。

大雨の中、
黒い大きなビニール袋(よくゴミを出すときに使うあのビニール袋)の底に穴を開け、
頭からスッポリかぶってレインコート代わりにして歩いている男。
ものには色々な使い方があるものだと感心する一方、
歩いていないと、ゴミなのか人なのか区別が付かないときもある。

ともかく、
It’s raining cats and dogs!(ものすごーい雨だ!)

ただ、この雨のあとのマンハッタンは、実に清々しい。
特に蒸しむしする夏などは、
強い雨が、異臭を放つゴミの“臭い”まで洗い流してくれるらしく、
空気まで綺麗になるように思える。

ある日の夕方、
雨上がりのセントラルパーク(Central Park)にでかけたことがあった。
すると、どうだろう…。
かつて見たことのない、
それはそれは沢山のホタルが、あたりを明るくする勢いで飛んでいた。
その圧倒的な数のホタルが見せてくれる風景は、
とても言葉では表現しがたい。
思わず、ポカンと口をあけてその光景に見入ってしまう。
勢い、
ホタルが一匹、ポカンとあけた口に入ってきそうな…。

なんでもアリのニューヨーク。
だが、大量のホタルまではイメージしていなっかた。

(飯村和彦)



壊れた傘1



newyork01double at 13:07│Comments(7) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by ★前向きな心と人のぬくもり★   2005年10月23日 20:29
飯村和彦さん
 コメント有難うございます。
フロム・エーに掲載されたのは飯村和彦さんを始め、皆さんが集まってくれたことの証です。
 写真、うまく使われていますね。
 またお立ち寄りください。

>★前向きな心と人のぬくもり★さま
 ありがとうございます。また…。



http://blog.livedoor.jp/thanks_for_all/
2. Posted by Noodles   2005年10月23日 21:28
飯村様

いつも苦笑してしまうのですが、傘を売ってまわる彼ら、
あの手際の良さ、どこにカサの在庫を置いているんでしょうか?

ここのところの長雨、うんざりしますね。
こんな長雨は7年で初めてのような気がします。

あまり降られると、せっかくの紅葉が見られなくなってしまいます。
来週末と11月の第一週が見頃でしょうが、
長く辛い冬が来る前に、秋を感じに出たいものです。

PS。郊外に住んでいるので、我が家の夏の庭は、連日、ホタルでいっぱいです。
ホタルを眺めながらのバーベキュー、いいものです。

>Noodlesさま
 羨ましいですね。
 NY在住時代もマンハッタンのアパートでしたから、
 郊外にある家には、憧れますね。

3. Posted by むーみん@ママ   2005年10月24日 10:40
飯村さん、こんにちは(#^.^#)
私なんかがこんなこといっていいのか、わかりませんが、
お粗末?な捨てられた折り畳み傘が、
飯村さんのてにかかると、あっという間にアートになってしまいますね。
毎回の写真を見て、さすがディレクターさんの才能は凄いと尊敬します。
NYでそんなに傘が重要視されていないのは、意外でした!

>むーみん@ママさま
 恐れ入ります。
 才能なんてありません。だただた好奇心だけです。
4. Posted by かえで   2005年10月24日 16:25
こんにちは。
数年前までは 家の周りに普通に蛍が飛んでおりました。
でもここ数年、見かけません。
川底が 変わったせいでしょうか・・・。
ニューヨークの蛍って意外な感じがしましたよw

本のことですが、日曜日近くの本屋さんに 買いに行きましたが ありませんでした。
ネットでないと 無理かなあ〜
でもなんとなく 書店で あった〜!と見つけたいんですがw
探している本が見つかった時ってとてもうれしいものです。
もう少し探して なければ、ア○ゾンにて買いますねw

>かえで様
 ありがとうございます。
 有名作家の本のように数万部も発行していないので、
 残念ながら、
 なかなか書店には並びません。
 ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
5. Posted by かずき   2005年10月24日 21:08
こんばんわ。今日はありがとうございました!
ダブルって表現素敵ですね
私の両親は日本人ですけど、違う環境で育った男女のダブルですもんね。
私の娘も同じ事、旦那と私のダブルですね
また遊びに来ます

>かずき様
 そうですね。
 環境は大切ですね。
 「ダブル」という本では、
 環境=ふるさと
 と定義しました。
6. Posted by rina   2005年10月24日 21:29
飯村さん、こんばんは♪
ご訪問、ありがとうございます^^
素敵なブログですね。
写真も趣があるし、文章も私にとっては非日常的で、読んでいて楽しいです♪

また遊びに来ます♪

>rinaさま
 是非、お願いします。
7. Posted by liquid7   2005年10月25日 22:15
コメントとトラックバックありがとう御座いました。

国連ビル、確かに墓石をイメージしてしまいますね。いわゆる日本で多く見る墓石ではなく、外人墓地によくある薄い墓石に似ています。油断していると麓の各国国旗が、墓石に供えてある花に見えそうです。

国連の本部はアメリカ合衆国内に有るべきではないような気がします。平和で争いが無く中立な場所、例えば南極大陸の様な場所に引っ越せば平等な平和を議論できると思います。

>liquid7さま
 そうかもしれません。現在のニューヨークに国連本部がある必然性はないですね。
 質が違うとはいえ、日本に国連大学本部がある理由もないけれど。

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