東京story:「ダブル」秘話〜兄妹〜東京story:「猫の話」〜まんざらでもない〜

2005年11月03日

NY’90:アパート(apartment)探し



No.12
Up to you.
あなた次第。自分で判断して。
あなたに任せる


例えば会社を辞めようかどうか悩んでいる友人がいたとする。
第三者的にみれば辞めた方がいいと思っていても、
まあ、最終的には本人が決断すべき事柄だ。
そんなとき、Up to you.(やっぱり、あなた次第)
また、誰かと仕事をしていて自分の頭が混乱をきたした場合も、
Up to you.(もう、あなたに任せる!)



エンパイア2



アパート(apartment)探し
ニューヨークに住んでいたときのアパートは、家賃が1200ドル。
これを同居人にマイケルと半分ずつ払っていた。
さて、その家賃が高かったのか安かったのか…。

確かに広いことは広かった。
2ベッドルーム。10畳ほどの部屋が二つと20畳ほどのリビング。
“一応”、
キッチンとバスルームもあった。
また、建物が古い分天井も高く、マイケル曰く、
「ミッドタウンにあるアパートでこれだけの広い空間があるのは珍しい」
とのことだった。

ところが、このアパート、
マイケルの前の同居人が、それまでオフィス空間だったフロアを、
ロフト風に改造して人が住めるようにした代物。
よりて、その機能は惨憺たるものだった。

まず、キッチン。
水道(running water)が、
キッチンとして使っているところまで来ていないので、
当然、流しはない。
だから、何かを作ろうと思えば、
唯一の蛇口があるバスルームまでいって水を汲んだり、
食器を洗う必要に迫られる。
アパートがだだっ広い分、通路を往復すること約30メートル。
自然、そこで食事をつくるなどということはしなくなる。

次にバスルーム。
これもきちんとした“ルーム”になっていたわけじゃない。
アパートの中を走っている通路の突き当たりに、
簡易シャワー(半畳ほどでビニールのカーテンが付いているもの。
日本でも一昔前、通販で売っていたあの簡易シャワーだ)があり、
その横にある2畳ほどの空間がトイレ。
まさに、
“取ってつけた”という表現がぴったりのバスルームだった。

おまけに、
簡易シャワーまでの細長い通路には、なぜか扉が二つもあり、
締めると一応“プライベート空間”が出来上がったりする。

まあ、きちんとお湯はでた。

そのアパートはボイス(毎週水曜日発売の新聞、The Village Voice)
の不動産欄で見つけたものだった。
最初、アパートを訪れたとき、
マイケルが差し出した日本酒の熱燗、それも徳利などというものは使わず、
いきなりビンごと暖めてしまうという大胆な飲み方に驚かされ、
“キッチンやバスルームがどうなっているのか”、
などということまで考える間もなく、
酔ったその場の勢いで決めてしまった訳だ。

当時は、ニューヨークらしいと勝手に解釈して住んでいたのだが、
真冬、暖房が壊れているのに気づいたときはまいった。
スチームが、
鉄の管を“走りまわる”ことによって部屋が暖かくなるはずなのだが、
カンカン、ガンガン、冷えた鉄の管がスチームの熱で、
やたらと大きな音をたてる割には、一向に部屋が暖かくならなかった。

結局、部屋の中にありながら、
マフラーを首に巻きつけ、
厚手のソックスをはいてベッドに潜り込むという生活を強いられた。

もし、ニューヨークでアパートを借りるという計画がある人がいれば、
できるだけ詳細にその機能をチェックすることをお勧めする。
特に、ビレッジにあるようなアパートの場合は尚更である。



アパートアート



同居人を希望する人は、
その同居人がどんな人物であるかを観察することが、
必須であることは言うまでもない。
ご存知のように同性愛を好む方々も多いので、その気のない方は要注意だ。
お互いが不幸になる。

私の場合はマイケルに、
“僕には彼女がいる”
ということを強調することで自分のキャラクターを説明した。

一方、同性愛者のルームメイトを希望する人もいるだろう。
その場合も、Voiceを細かくチェックするといい。
よい情報がたくさん掲載されている。

いづれにしてもアパート探しは結構骨の折れるもの。
舐めてかかると碌なことはない。
自分の意思をはっきり表明して(speak your mind!)、
なんでも自分で決めないと、
あとでとんだ目にあうのがこの街。

Up to you. (任せます)
なんて具合に、
アパート探しを訳の分からぬ不動産業者などに任せると、
法外な手数料を要求されたり、
後にオーナーとトラブルになったりするから注意が必要だ。

また、
「プールのあるアパートに住みたい」
だの、
「フロアは20階よりも上がいい」
などと、マンハッタンで生活することに“幻想”を抱き、
信じられない勘違いをしている若い日本人女性もいたりする。

そんな人に限って“Up to you.”

Hunter Collegeの語学コースに通っていた、
(…といっても学校にいったのは最初の2、3日だけだったというが)
日本人の女の子が、
バーで知り合った“気の合う”アメリカ人男性に、
アパートに転がり込まれ、
挙句、自分の部屋に監禁されてしまうという事件も発生した。

恐ろしい奴がいるものだが、
きちんとした自分の“意思”をもたぬまま、
アパートで一人暮らしをはじめると、
知らぬ間にひどい状況に陥ることがあるから、要注意だ。

(飯村和彦)





newyork01double at 13:50│Comments(5) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by fumi   2005年11月04日 01:15
「Up to you」
この言葉、普段の生活に役立つような気がします。
実際、私は頻繁に「あなた自身で決めればいいけど……」とか、「君に任せた!」とか、口走っています。
使ってみたいと思います。

アパート選びだなんて、しかもNYでなんて・・・・まだまだ先のことなんだろうな。
しかし、私の夢は留学です!
NYにも行ってみたいとゆう思いもあり、英の方にも訪れたいなと思う自分がいます。
まあ、飯村さんからしてみれば「Up to you」な話しですよね(笑)。

>fumiさま
 まさに!(笑)
 
2. Posted by chiemi   2005年11月04日 03:56
こんばんは。何回も足を運んでいただき、温かなコメントに感激しております。嬉しかったです。ありがとうございます。
さて、実は来年仕事で海外へ行きます。今も仕事で英語は必修!でも、適当英語で済ましています。(深く反省!)
ところが、最近凄く良い勉強をしています。
どんな?でしょう。。。ここでなんです!此処にお邪魔して、英語勉強をしています。特に話題と一緒に覚えているので、忘れにくく、どういう時使うかがハッキリし、実際使うのが楽しみです。この単語も明日しっかり使って覚えますね!!!

>chiemiさま
 それはそれは。嬉しい限りです。
 そうですね。
 一度、実際に使うと必ず!身に付くと思います。
3. Posted by pate   2005年11月04日 12:11
飯村さん コメントありがとうございます。
英会話を習い始めて2年。
先生との雑談から日常会話で使えるフレーズを教えてもらっています。
今度「up to you」って私が言ったら先生びっくりするかなぁ。と思うとちょっと次の授業が楽しみです。

>pateさま
 是非とも使ってください。
 そこから会話が弾むでしょうから。
4. Posted by 小鳥ちゃん   2005年11月04日 13:42
飯村さん、こんにちは。

奇しくも同じようなネタを書いていたのですね。早速コメントをかねて、わたしのブログも紹介させていただきます。まだまだ写真が上手く載せられなかったり、ついつい公開するのを忘れちゃったり、とハプニングつづきですが、なんとかカタチになってるか、な?

私の今の目標(夢)は、トライベッカの40階あたりに住むこと。ハドソン川眺められるところがいいなあ。

>小鳥ちゃん様
 一歩一歩、穏やかに…、やっていきましょう。
5. Posted by ilovedesign   2005年11月05日 03:52
こんばんは。またもや深夜です。(笑) ワタシは今月の17日にNY入りです。が、未だに住むとこがない〜!結構心配してますですね。ユースホステルのお世話にはなりたく無い。我が友よ、(と、思っていた..)たった3日でも良いのだ。メールの返事をくれ〜。てな事で、皆急がしそうなので、craigslistで探すか、安いホテルを探すか何とかせねば。(汗汗) 部屋探しは実にむずかしい。。

>ilovedesignさん
 大丈夫かなあ。

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