週末だから!:愉快なペンギンNY’90:NYのたむろバト

2005年11月06日

NY’90:芝生の海〜セントラルパーク〜



No.14
Kill time
時間をつぶす。

Ex:I kill time this way.(これが俺の時間つぶしの方法さ)

例えば、出張中…
夕方の3時と6時にミーティングが組まれていたとする。
ところが、突然、2時過ぎに電話が入り、3時のミーティングがなくなった。
かといって、その時点で夕方6時のスケジュールを前に動かすのは難しい。
結局、4時間弱、時間を潰さなくてはいけない。
そんなとき、kill time.
もちろん、仕事以外での「時間潰し」にも使う。



セントラルパークの女性2



芝生の海〜セントラルパーク〜
ロケや取材のとき、天候や取材先の都合で、
突然、ポカンと時間が空いてしまうことがある。
見た目に似合わず(?)怠け者の私が、よく時間潰しに使ったのがセントラルパーク(Central Park)。

ゴロリと寝転がってボーッと空を眺めたり、
なんとなく耳に入ってくる言葉を、
散漫な状態で聞いているのは楽しいものである。

「無駄になった時間は、思い切り無駄に過ごす」

これぞ最高の贅沢であり、
「せっかく時間が空いたのだから、無駄にしちゃ損。何かしないと…」
などというのは愚の骨頂。
そのような方々とは、なるべく、
仕事以外ではお付き合いしないように心がけている。

吉田拓郎さんの「夏休み」という曲の歌詞に、
“休んでいるのに、落ち着かないってのは、
 知らぬうちに、病んでるんですね…”
というくだりがある。

こうなると「胃潰瘍で入院」ということになってしまうのだろう。

まあ、かくいう私も、
今年7月末、
胃潰瘍で10日間も入院したくちだから、
そう、大きな口はたたけない…。うむ…。

さて、セントラルパーク。
ある夏の日の夕方、いつものように“広い芝生の海”に、
ゴロリと転がっていた。
すると、
遠くの方で「コービー、コービー」の声。

最初は、なんといっているの分からなかった。
起き上がって声のする方向に目をやると、
バドワーザー(Budweiser)を一杯につめた、
白いスーパーマーケットのビニール袋を下げた男が、
芝生の海の中を歩いてくる。

なるほど…、「コービー、コービー」は、
「cold beer, cold beer.」だったのだ。
スーパーだと6本で5ドル程度のBudを、1本2ドルで売っていた。
しかし、いってはなんだが酷い発音…。
これは“聞き分ける”類のものではなく、
そのような状況を“覚えておく”類のものである。

元来、セントラルパーク内では、無許可でものを売ってはいけないことになっている。
とはいうものの、何でもやったものが勝ちのニューヨーク、
結構いい商売になっていた。



歩く女神」



そこで、“ブーム”ということを考えてみた。
テレビはよく、“ブーム”を追って取材する。
が、セントラルパークでくつろいでいる人たちを見ていると、
彼らには“ブーム”という概念がないか、あっても気にしていないかのように見えた。

あっちではローラースケートにスケートボード。
こっちではフリスビーにフラフープ。
新体操にゲリラカイト。
挙句の果てには“お手玉(ジャグリング)”まで…。

それぞれが、その人の持分の中で、その人なりに楽しんでいた。
いずれも、“流行”、“ブーム”という言葉にのって、
一度は日本でも脚光をあびた「ものたち」なのだが、
今、日本人のどれだけが、
これらの「ものたち」と日常的に付き合っているかとなると、
疑問符だ。

日本の雑誌を見ていると、
「秘かなブーム」
という見出しをよく目にする。
本来、“秘かな”ものは、“ブーム”であるはずがないのだが、
対照的な日本語と英語を組み合わせることで、
極めて! 日本人が好きそうな語感をもつ言葉になっている。
国会での、首相や大臣の答弁に代表される、
“曖昧さ”が一つの国民性なっている日本ならではの言葉じゃないか?

自分の意思をハッキリ表明する。
その訓練を子どもの頃からさせられているアメリカ人には、
「秘かなブーム」
なんていうニュアンスは理解しがたいはずだ。

セントラルパークでは、
こんなことを考えながらボンヤリと時間が潰せる。
遠くでは、「コービー、コービー」の声…。
I kill time this way!(これが俺の時間の潰し方さ!)

(飯村和彦)




newyork01double at 10:59│Comments(6) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by サード   2005年11月07日 00:02
こんばんわ。しばらく前にご著書を→から購入したのですが、なかなか送られてこないのでコメント書けずにすいません^^;

飯村さんのブログでは、日常の出来事からも鋭い視点や、私が考えてもみなかった視点で記事が書かれているので、はっとすることがあります。本の方も楽しみにしています!

>サードさま
 本の方、困りますよね。
 そのようなケースが多いようです。出版社の問題でしょう、ご勘弁を!

2. Posted by chiemi   2005年11月07日 01:18
「my辞書」に、又追加されました。(早速使うぞ〜!!)

無駄になった時間を、思い切り無駄に・・・何て贅沢な過ごし方でしょう。

>chiemiさま
 そうです。思いっきり無駄に!です。
3. Posted by 美花   2005年11月07日 10:44
NY.Central Park映画やTVの映像でしか見たことがないの私ですが、飯沼さんの記事を読んでいると“コービー”を売っている人の風体までイメージできるから不思議です(^^)
私の仕事は京都が中心です。打合せに合間には東山の自社めぐりなどを楽しんでますが、京都はなんに付けても敷居が高いため無知な私は、いつも休憩ではなく学びの時間になってしまいます。
ここ京都での秘かなブームは…、偽舞妓!外国人の方も舞妓に扮して石畳を歩いていらっしゃいます★

>美花さま
 いつだったか、私も京都で似たような光景を目撃したことがあります。
 チャーミングですよね、どことなく。
4. Posted by Noodles   2005年11月07日 11:24
今、セントラルパーク、一番の見頃です。

The Mall、ちょうど、黄色と赤に色づいて、

The Pondのあたり一体、The Ramble、

言葉にできない秋色です。

>noodleさま
 でしょうね。
 私が行くまで葉が落ちないでいてくれるといいのですいが。

5. Posted by どどど   2005年11月11日 21:39
kill time は英語の授業のかなり初期に味わったカルチャーショック、だったような気がします。
なにも殺さなくても...とか思いつつ、でも考えて見たら「つぶす」も結構深い意味もあるし...とか。
この記事を読みつつ、密かなブーム(笑)に乗りがちな人々が「暇つぶし」というキーワードで行う思考とは少し違う、自分の行動に対する覚悟とかこだわりとか、なんかそういうものがより多く含まれた kill time という思考が存在するのかも?とか思ってみたり。
6. Posted by 飯村和彦   2005年11月11日 23:37
kill time。
私は、「潔い」語感だなあ…、と感じています。
ぐずぐずした響きがない。
スパッとしている。
そういう意味では、「覚悟」をきめて時間を使う…
に近いのかもしれませんね。

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