NY’90:芝生の海〜セントラルパーク〜東京story:「ダブル」秘話〜言葉〜

2005年11月07日

NY’90:NYのたむろバト



No.15
A little bird told me.
ちょっと小耳に挟んだの。
風のウワサに聞いたのさ。



情報源がはっきりしているにも係わらず、
わざと思わせぶりに話すときの、あのニュアンス。
平静を装い、ちょっと取り澄ました表情で、
彼氏の浮気を攻めたてる時などに便利かも。
もちろん、男性が使っても悪くはないが…。



hatoと42st



NYのたむろハト
当然、ニューヨークにもハトがいる。
街のいたるところに屯(たむろ)しているその様子は、
ビール片手に街角に屯しては、
野卑な笑い声を上げる輩のそれと一緒で、
忌々しい限り。

人が寄っていくと逃げるフリをして、
離れるとすぐまた集団になってエサをあさる。
もしかするとその生命力は、
ゴキブリより強いのではあるまいか?

三省堂の国語辞書で「はと」の欄を見ると、
「中形の鳥。胸を突き出して歩く。平和の象徴とされる」
とある。
次に同じ三省堂のEnglish Dictionary。
まずは、「pigeon」
「〈鳥〉ハト。〈俗〉だまされやすい人」

続いて「dove」
「ハト。柔和な人。〈米〉ハト派(穏健派)」
とある。

さて、ここで問題になるのが「pigeon」と「dove」の違いだ。
本来、“平和の象徴”とされるハトは、
野に住む、小柄なdoveの方であり、
あの忌々しい“屯(たむろ)バト”のpigeonではない筈。

参考までに、
OXFORDのEnglish English Dictionary(英英辞典)を見ると、
“pigeon”……bird of family とあり、
まあ言ってみれば、pigeonはdoveの親戚のようなもの。
なのに、自分たちが平和の象徴たるハトとして、
馴れ馴れしい態度で、幅を利かせている訳だ。



hatoアップ



その圧倒的な生命力と、人間がだす凄まじい量のゴミのおかげで、
何不自由なくコンクリートの街でも増え続けている。
特に、
McDonaldに代表されるファーストフード店が多いニューヨークでは、
それらの店がだすゴミが、
“屯(たむろ)バト”の絶好のエサとなっている。

深夜、7th Ave.を34th St.から南に歩くと、
舗道に身の丈以上の高さに積まれた、
黒いゴミ袋の山が目に入る。
McDonaldがだしたゴミの山である。
このゴミ袋、朝方には運ばれていくのだが、
それまでの数時間の間に、必ず!破られ、
なかのゴミが、当りに撒き散らされる。

最初に、そのゴミ袋を破るのが、
“たむろバト”ならぬ“たむろ人間”
彼らも生きていくために「食料」をあさる。
続いてやってくるのが、
その“たむろ人間”たちの様子を遠巻きに見ていた“たむろバト”。
「エサ」をあさる。
…なるほど、確かに胸を偉そうに突き出して歩いている。
“たむろ人間”が、不健康そうに背を丸めて歩いているのとは対照的。

けれども、例の「デデーポッポッ」という鳴き声はない。
不気味なほど、無口。
で、エサをあさるその姿は、
もはや「鳥」というイメージではなくなっている。


hatoと車


いつだったかCNNが、
日本の「ハト公害」のリポートをしていた。
浅草寺のハトに、米の配収センターのハト。
渋谷で、電話ボックスに群がっているハト……。
世界の主要都市が、この“たむろバト”に占拠される日も、そう遠くはないのでは…。

と同時に、辞書の、
「pigeon…〈鳥〉ハト〈俗〉だまされやすい人」が、
「pigeon…〈鳥〉ハト〈俗〉職を持とうとせず、街角で“たむろ”している人」
という表記に変わる日も近いのでは…?

A little bird told me.
この場合のbirdは、街角の“たむろバト”である筈がない。
なにせあの“たむろバト”、無口なのだから。
違いますか…、ニューヨークのことりちゃん

(飯村和彦)




newyork01double at 13:58│Comments(2) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by kazurin   2005年11月08日 00:17
私、15年程前にハト100羽以上に取り囲まれたことがあって・・・
それがトラウマで“ハト嫌い”なんです。
原因は持っていた「焼き芋」。
公園で焼き芋をその当時の恋人と食べて、何気に1カケ投げた芋にどこからともなく飛んできたハトの大群に囲まれ動けなくなりました。
まさに忌々しいハトでした。。。
特にあの赤い目が・・・恐ろしい〜(*_*)
2. Posted by 飯村和彦   2005年11月11日 11:13
>kazurinさま
 それなら、ハトが嫌いになって当然ですね。
 私も嫌いです。あっ、DOVEの方は好きですよ。

 改めてハト(pigeonの方です)の生態を観察すると、
 声を出さないという意味では、
 自分の意見をきちんと言わない、
 物事に無関心な群集(人)のようでもありますね。
 …、ちょっと大袈裟か。

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