東京story:猫の話「日常1」東京story:図書館からの葉書

2005年11月14日

NY’90:House Pest(家に付いた“害虫”)



No.18
Pain in the neck
厄介もの。邪魔者。
悩みの種。
わずらわしいもの(人)


Ex:He is such a pain in the nech.

例えばある男性が、会社でピカイチの女性を一方的に好きになったとする。
そんな彼のことだから、
たった一度でも彼女にやさしい言葉なんかをかけられようものなら、
すっかりその気になり、
彼女にまとわり付いては親切の押し売りの数々。
人間ができている彼女は、
「もう、いい加減にして欲しい」
と思いながらも、顔には出さない。
傍で見ていて可愛そうなほど…。
彼女にとっては、そんな男性が“pain in the neck”。
無論、行動がエスカレートしてストーカーになると、
もう、これは立派な犯罪。



レターマン



House Pest(家に付いた“害虫”)
David Letterman(デビット・レターマン)という男がいる。
米国CBSテレビの夜の人気番組「Late Show」のホスト。
もともとは売れないコメディアンだった彼なのだが、
今や超がつく有名人。
彼がNBCテレビからCBSテレビに番組ごと移籍したときには、
CBSの株価がポン!と上がったほどだ。

彼の番組スタイルは、角界の人気者から街のお調子者までを、
ゲストに呼んではトークを進める“トークショー”なのだが、
あるときは、
全米No.1のプロボーラーに、テレビ局の廊下で金魚鉢を割らせたり、
スタジオセットのテーブルの上に横になって、
献血をしながら番組を行ったり…。

その型破りの番組企画に、
彼自身のギャグのセンスもあいまって、人気はいまだに衰えない。

彼がまだNBCで番組をやっている頃のことだった。
三菱地所によるロックフェラー・センターの買収が発表された晩の、
レターマンの番組オープニングコメントは忘れられない。

Live from New York, a subsidiary of Mitsubishi Corporation.
(三菱の子会社になってしまった“ニューヨーク市”からの生放送)

機を見るに敏というか、
当時、彼の番組は、
ロックフェラー・センターにあったNBCのスタジオを使用していた。
ティファニーをはじめ、
ニューヨークのシンボルを買い漁っていた、
日本企業への痛烈な皮肉だった。

あるとき、そんなレターマンが、
法廷に座っている姿がテレビニュースに映し出された。
なんだろう、と思いきや、
彼の家に不法侵入した熱狂的な女性ファンとの裁判だった。

有名人が、
訳の分からぬファンに悩まされるのは何処の国も一緒だが、
この女性ファンの場合、常軌を逸していた。
名前は、マーガレット。
レターマンの家のベッドルームに忍び込んで勝手にベッドで眠ったり、
家の中をうろついたりしたかどで逮捕されていた。

ところがこの女性は、
逮捕される2日前に7ヶ月の刑期を終えて出所してきたばかり。
いわばレターマン宅への不法侵入の“常連”で、
2年間に6回も、刑務所とレターマンの家を行ったりきたり。
文字通りのストーカーだったのだ。

レターマンにとっては、
自分の家に取り付いたpest(ペスト)のような存在だ。
…ちなみにここでの「pest」は、「害を及ぼす人間」の意味。

で…、
裁判所がこの“House Pest”に言い渡した判決は、
1年間の刑務所暮らし。
住居不法侵入等の軽犯罪にたいする量刑としては最も重いものだというが、
1年後、
彼女がまた、レターマン宅に忍び込んでくるのは容易に想像できる。

判決の日、
レターマンは裁判官に、女性との関係を以下のように説明していた。
「彼女が地球上に存在していたことを初めて発見したのは、彼女が我が家に侵入したときだった」
その口調と表現は、
自宅でとんでもない病原菌を発見してしまった科学者のようであり、
ニュースでその場面を見ていて思わず苦笑してしまった。

She is such a pain in the neck.



7th Av.



翻って日本。
桶川ストーカー事件以降、いわゆる「ストーカー法」ができたが、
いまだに、「警察に助けを求めたが、なにもしてくれなかった」
という事例があとを絶たない。
“事件後”の警察側の言い分は、いつも同じだ。
「訴えに事件性が認められなかった」
けれども、そこには確かに「事件」が存在していたのだ。
でなければ、結果的に、
どうして多くの犠牲者が生まれてくるのか?!

捜査関連書類の“改ざん”はできても、
改ざんする理由は、「分からない」らしい。

(飯村和彦)





newyork01double at 10:44│Comments(9) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by れっきゅん   2005年11月14日 11:24
ストーカーは、怖いですよね。
数日前に日本では中学生の女の子が、同級生の男の子に刺殺されてしまう事件がありました。とてもショッキングな出来事で、毎日のように報道されています。
警察は何もしてくれないので、自分の身は、自分で守るしかないのですよね。
私も軽いストーカー被害にあった事があるので、ストーカーの怖さは、わかります。
2. Posted by 飯村和彦   2005年11月14日 11:34
ストーキングほど、卑劣な行為はないのでは?
弁明の余地なしですよね。
3. Posted by 前向きな心と人のぬくもり   2005年11月14日 14:50
飯村和彦さん
 いつもコメント有難うございます。
本当に家族には感謝です。
 ストーカー。思いが煮え詰まってしまうのでしょうね。うまく発散もする必要があるのだと思います。
 またお立ち寄りください。

>前向きな心と人のぬくもり様
 もちろん、また立ち寄ります。
4. Posted by chiemi   2005年11月14日 16:38
英語。1Pまた、埋まりました。「首にある痛み」。。。何か、喉に刺さった魚の骨と似ていて、覚えやすいです。早速今日使おう!!!

以前、鳥越さんが、「セイタカアワダチソウは見ていた」と題して調査報告していたのを見ました。何を信じて良いのか、何に訴えていいのか、、、、
5. Posted by 飯村和彦   2005年11月14日 17:08
本当です。
問題が発生したとき、訴えるべき場所がないのが、
今の日本です。
桶川事件のときも、最初は、多くの人たちが(…というより一部メディアが先頭にたってというべきかもしれません)、
被害者の詩織さんの方に落ち度があるのでは、と見ていたし。
もちろん、今にして思えば、問題の多くが埼玉県警の隠蔽体質から端を発していたわけですが…。困った状況です。
6. Posted by やっとこ   2005年11月14日 19:53
はじめまして
「やっとこ」と申します。
よろしくお願いします。

私のブログへのすばらしいコメント
ありがとうございました<(_ _)>

警察に被害届けを出しても、警察には
捜査する義務はなく、捜査するかどうかが
警察の裁量に任されているということが
一般に知られていないことが背景にある
のではないかと考えます。
また、告訴もなかなか受理しようとしない
傾向があると言われていることも見逃せない
ことだと思います。

被害を受けたときは、警察をどのように動かすか
そのためのノウハウを被害者側も知っておかなけ
ればならないという厳しい時代が来ている
のかもわかりませんね。

7. Posted by 飯村和彦   2005年11月14日 20:23
やっとこ様

本当に厳しいというか、酷い現状です。
自分たちに都合が悪いとなると、警察は、平気で法や道理を曲げてきます。
無論、酷いのは一部の警察官だと思いたいです。
しかし、
多くの警察官が懸命に任務を全うしているといっても、
一方で、「賢明に」裏金を蓄えていた状況を考えると、
信頼性が揺らぎますよね。
真面目な(?)警官も、一連の不正行為に参加していた訳ですから。情けない話です。
また、よろしくお願いします。
8. Posted by 小鳥ちゃん   2005年11月15日 03:25
桶川ストーカー事件で、「最初は多くの人が被害者に落ち度があると見ていた」というのは、悲しいけれど事実ですね。全米犯罪被害者センターのウェブサイトでも、加害者の大半は「顔見知り、知人、パートナー」とあります。だからこそ、「単なる(痴話)喧嘩」として、誰も真剣に取り合ってくれません。その間に、状況はどんどんエスカレートします。もちろん、被害者側も、できる限りの防御策をとるべきなのですが、周囲の理解が足りない、というのは、心理的にとても不安です。現に私も会社でヘンな目で見られることを恐れて、会社の人には誰にも言ってません。「Stalkingvictims.com」というウェブサイトでも、「被害者の心得10カ条」の7番目に、「警察が解決してくれると期待しないこと。警察は、100%被害者の自己責任だとしている」と記載しています。
9. Posted by 飯村和彦   2005年11月15日 10:34
小鳥ちゃんさま
辛いですね。
どうして今の社会は、こうも被害者に冷たくなっているのでしょう。「自己責任」、力を持っている側にとっては、便利な言葉です。

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