NY’90:詩の朗読会〜Dead Poets Society〜NY’90:La Mama のママと抱き合って

2005年11月18日

東京story:ダブル秘話〜胸の中のライオン〜



空気が乾燥してきた為だろう、このところ、
子供たちが、「ゴホゴホ」を繰り返している。
そろそろ加湿器の助けが必要な季節だ。

彼らの「ゴホゴホ」を耳にするたびに、思い出すことがある。
息子がまだ、1歳半ぐらいの時のある彼の言葉だ。

確か、寒さの厳しい12月末の晩ことだったと思う。
その日、息子は風邪を少しこじらせたらしく、
午前中から、切れの悪い「ゴホゴホ」を繰り返していたという。
これは、妻からの報告。
案の定、夕方になるとその「ゴホゴホ」はさらに悪化し、
私が帰宅したころには、
聞いていて不安になるほど、「湿った音」になっていた。



息子と米粒



熱は38度弱。
とはいっても息子自身は、時に咳き込みながらも、
普段と同じように積み木を積んでは、ミニカーをぶつけて遊んでいた。
妻によると、
電話で医師の判断を仰いだところ、
「一晩様子をみて、咳がもっとひどくなる様だったら、
朝一番に病院に来るように」とのことだったらしい。

そして翌朝、明け方近く。
息子の湿った咳は、「ゴホゴホ」ではなく、
「ゼーゼー、ゴーゴー」という嫌な音に変質した。
小さな胸に耳を当ててみると、
中からは、風が舞っているような鈍い音が聞こえてきた。
それが、息を吸うたびに繰り返えされる。

「病院へ行こう」
そう判断して、息子を抱きあげようとしたときだった。
「ここにライオンがいるみたい」
と、彼がいった。
息子には、胸の中で渦巻く音が、
ライオンのうなり声に聞こえていたらしい。
そういうなり息子は、ニコッと笑った。
その笑顔が、
私たち夫婦をどれだけ安心させてくれたことだろう。

結局、病院で診察結果は、気管支炎の初期症状。
薬を飲ませると、その日の午後には症状も治まった。
しかし、こうも考える。
息子の胸の中からライオンを退治したのは、
薬ではなく、彼自身じゃなかったのかと。
それぐらい、息子は落ち着いていたのだ。

(飯村和彦)






newyork01double at 12:20│Comments(24) 家族/ 子育て | ダブル秘話

この記事へのコメント

1. Posted by りきたんママ   2005年11月18日 14:52
息子さん、とても可愛いですね♪
私のブログをみに来てくださり、ありがとうございました!
コメントのお返事を書きましたので、よかったらまた
来てみてください。

私も飯村さんのブログにまた立ち寄らせていただきます。

>きりたんママさま
是非。楽しみにしています。

2. Posted by ななまま   2005年11月18日 15:08
お子さんとってもcuteですね!
わが家の親ばか日記に立ち寄ってくださりありがとうございます★
わが家の虹星(ななせ)も気管支喘息持ちと診断され、かぜをひくとゼイゼイヒィヒューで見ていてとても切ない気持ちになります。それもこれも私ママが気管支喘息持ちだから仕方ないね・・・とお医者様から言われましたがパパは健康そのもの!パパの健康を受け継いでくれたこんなに苦しいおもいはしなくてすんだのに・・と涙がでそうになります。
でも割とまだ軽く風邪ひくことがすくない娘に毎日元気でいてくれてありがとう!という気持ち。
また飯村さんのところに立ち寄らせていただきます!
コメント返ししてありますのでぜひまたよってください★
3. Posted by eri   2005年11月18日 15:32
子どもの力ってすごいですよね。
子ども自身の健康であろうとする力って大切だと思うので、わが家では薄着主義、予防接種も最小限に留めています。(アレルギー持ちなため余計な副作用が恐い、ということもありますが)
でも、今年は鳥インフルエンザがすごく騒がれていて心配!
やはり流行りにのって予防接種すべきなのかしら・・・
4. Posted by 美花   2005年11月18日 15:59
「ここにライオンがいるみたい」なんて素直な表現でしょう。子供は「胸が締め付けられ、咳をすると気管支の辺りが熱くなり、強く傷む」なーんて詳しく説明することは出来ません。
それだけに子供の様子や変化をしっかり見極める親の判断力が大切なんですよね。
病気が治ったあと、息子さんを抱きしめながら「ライオンさんになくなってよかったね♪」と優しい笑顔を浮かべる飯村さんと奥様のお顔が浮かんできます。

今年はインフルエンザが流行するとか。
怖いライオンがやってくる前に、獣除けの炎・ワクチンを接種してきます。
5. Posted by kei   2005年11月18日 16:37
良いセンスの息子さんですね!
そんな言葉を聞いたら思わず笑顔になりますよね!

私のブログに遊びに来てくださってありがとうございます。

私も遊びに来てみたらちょっとびっくり!

ミルキーはうちの猫の子供の頃に似てるし、
テレ朝って聞いて・・・
私の兄は朝日新聞の記者。
私の友人はテレ朝で働いていたんですよ〜

なんかグッ身近に感じてしまいましたよ。
また遊びに来ますね。

>keiさま
それはそれは…。また、宜しくお願いします。
6. Posted by rina   2005年11月18日 17:34
飯村さん、こんばんは♪
子供の風邪って、心配になりますよね・・・。
苦しくてもユーモアのあるお子さん、素敵です♪
これからどんどん寒くなって、乾燥しますね。
お互い風邪には気をつけましょうね。
7. Posted by ぱぱいや   2005年11月18日 17:52
どうもはじめまして。今は仕事も辞め、生まれて初めて無職?になり自分の時間を手に入れています。妊娠し仕事を退職後に色々な本を読んでいます。今私が読んでる本が読み終わったら是非「ダブル」を読んでみたいと思います。
またこちらのブログを覘かしていただきますね。
8. Posted by chiemi   2005年11月18日 19:43
小さい子の、自然な一言。
何にもまして、心に響きますね。
でも、どうして、そんな天使みたいな言葉を見付けてくるのでしょう。やっぱり、大人はもう天使からは、微笑んでもらえないのかなあ〜
9. Posted by りんりん   2005年11月18日 19:52
うちの子は喘息で、小さい頃は、かなりの重症だったので
記事から、とてもリアルな音が聞こえてくるようでした。

子供って、偉いですよね。
すっごく苦しい筈なのに、緊張を解くような言葉が出てくる。

私も何度も娘に救われました。
10. Posted by TAKO母   2005年11月18日 20:58
子どもが病気になるのが・・・一番辛いし 慌てるものです。
すごく心配になって・・・。。
そんな時に・・・ふっと気が楽になるかわいらしい言葉でしたね。
かわいいですね。
うちは小さい時 肺炎で2度入院しましたし 
熱もよく出しました。 
そして・・・とにかく元気であれば・・・それだけでいいと
その時は そればかり思いますが・・。。
元気になると・・・元気であるありがたさを忘れ・・・・・
勉強もできた方がいいとか・・・いい子でいてほしいとか
いろいろ欲が出てきて・・・必要以上に子どもにプレッシャーをあたえているような・・・・。
たまには・・・入院した時の思いを 思い出すようにしています。


11. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:34
>ななまま様
「母親が気管支喘息持ちだから…」という医師の発言は、
理解に苦しみますね。子どもの場合、成長に伴って症状がおさまったり、なくなったりすることもよくあることだし。病気の理由を遺伝的な要因(…それさえ根拠が明快でない)に収斂させるような医師のコメントは、例え軽い口調であっても私には耐え難く聞こえます。そのときの心痛、察するにあまりあります。
12. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:36
>eriさま
鳥インフルエンザ、確かに不気味ですね。流行らないことを祈るのみです。
13. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:42
>美花さま
子どもの場合、病気の見極めが難しいですね。ちょっと熱が高いぐらいで病院に連れて行くと、不必要な薬(代表例が抗生物質。細菌感染でもないのにすぐに処方したがる医師が多い。なかにはウィルス性疾患にまで抗生物質を予防と称してだす医師までいる)など渡されるし、かといって、こじらせると厄介だし。
14. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:44
>ぱぱいや様
感謝します。読後の感想、楽しみにしています。
15. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:47
>rinaさま
ユーモア満点ですよね。本人は、まっすぐに!そう思ったのでしょうけど。
16. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:49
>chiemiさま
子どもの表現力には、ときに腰を抜かすほど驚かされることがあります。なんでも予断なく考えて、言葉にできるからなのでしょうね、きっと。羨ましい限りです。
17. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:51
>りんりんさま
やっぱりそうですか。子どもに教えられること沢山ありますよね。親だからといって安穏としていられません。
謙虚に…、そう思うようにしています。
18. Posted by 飯村和彦   2005年11月18日 21:59
>TAKO母さま
おっしゃる通りです。一難さって「日常」に戻ると、大事なことでも忘れがちになります。人間というのは生来、楽天的な生き物なのでしょうかね。それでいて、「欲」だけはいつも忘れずに持っていて…。
まあ、だから辛いことがあってもまた、楽しい日々を送っていけるのでしょうが。
19. Posted by kazurin   2005年11月19日 00:35
ライオン退治したのはきっと息子さんですね☆
うちも先週1週間次女、長女と看病生活だったので、
ライオン発言で安堵したキモチよくわかります。
顔みたら、わかるのかな?子どもって不思議ですよね。
20. Posted by sato   2005年11月19日 07:07
ここ2,3日気管支様喘息もちの娘の胸の音が
昨夜まさにこの記事のように
「ゼーゼーゴーゴー」に変わってきました。
夜中に涙流しながら私に抱きついてきました。
がんばれって背中をさすると
苦しいのににこっと笑って「ほにゃらら○▼※ん…」
言葉の出ない娘ですが何かおしゃべりします。

もしかしたら、息子さんのように
何かを伝えてくれたのかな……


21. Posted by 飯村和彦   2005年11月19日 11:09
>Kazurinさま
本当に子どもは不思議です。計り知れない力があるのでしょう。
22. Posted by 飯村和彦   2005年11月19日 11:11
>satoさま
間違いく伝えているのだと思います。子どもは、あるとき、マジシャンです。
23. Posted by アキラ   2005年11月19日 22:28
胸にライオンがいるという表現は素晴らしいですね!
でもきっとお子さんなりに最大限の気持の伝え方だったのかもしれません。
短編小説を読んでいるような気分になりました。
いつも温かいコメントありがとうございます。
飯村さんのこちらのブログをリンクさせて頂きますね!
24. Posted by 飯村和彦   2005年11月19日 22:55
>アキラさま
答えは息子しかしりませんが、彼は当然のようにその日の出来事については忘れています。残念ですが…。
リンク、ありがとうございます。

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