東京story:ダブル秘話〜胸の中のライオン〜週末だから!:犬とネコ「スパイがいるゾ!」

2005年11月19日

NY’90:La Mama のママと抱き合って



No.21
Give me five! (=Slap me five!)
やったぜ!

“心の中でシンバルがなった”ときのよう。
何かを一生懸命やり、それが達成できたとき。
または、スロットマシンでジャックポットなんて具合に、
ラッキーな出来事が自分に起こった。
そんな時、友人と手をパチン、“Give me five!”



east village2



La Mama のママと抱き合って!
ロケでダウンタウンはイースト・ヴィレッジ、
「La Mama Theater」にいった時のこと。
一般的には、off-off-Broadwayと呼ばれるこの舞台、
ギンギンぎらぎらのBroadwayミュージカルとはかなり趣を異にする、
ちっちゃな舞台だ。

「俺たちはこーだぜ!」的に、
何をやってもいいこのla Mamaには、
世界中から若い舞台人が集まってくる。
1970年には寺山修二が、
1972年には東京キッドブラザースがここで舞台を行っているので、
ちょっと芝居を齧ったことのある方々ならご存知のはず。
残念ながら、私は知らなかったのだが…。

6階建ての古いビル。
ありがちなネオンの看板などない。
La Mamaとマジックで書かれた紙が、1階の赤い鉄の扉に貼ってあるだけ。
「知っている奴だけが来てくれればいい」
という、少々人を突き放したようなポリシーが感じられる。

この劇場は1961年にオープンしてから、
今のイースト・ヴィレッジに移るまで、5回も場所を変えている。
ニューヨークにも当然、日本でいう建築基準法のようなものがあり、防火対策などの面から消防署が目を光らせている。

ところが、
ニューヨークにある多くのディスコや劇場が、
不法なものだったりする。
火事にでもなったらひとたまりもないような建物の地下がディスコであったり、劇場だったり。
事実、ブロンクスにあったナイトクラブは、火事で87人もの犠牲者をだしている。この火事では、クラブが不法だった上に、クレージーな客が店内に火をつけたというからたまらない。

La Mama 劇場も、消防署の摘発を受けては場所を変え、やっと現在の場所に落ち着いたという訳だ。

オーナーのEllen Stuartさんに会った。
人懐こい目をした、小柄な黒人女性。
丁寧に結った銀色の髪が、とっても印象的な彼女は、
“演劇界の母”として、みんなに慕われている。
70歳(1990年当時)。
「腰が痛い」とぼやいてはいたが、なんの、準備中の舞台に上がってきては、若い連中とわいわいやっている。

デザイナーを夢見て、60ドル片手にシカゴからニューヨークにやってきたという彼女。
その手は信じられないほど柔らかく、
成功した今でも時々、その手で舞台衣装のデザインをしている。

さて、
次は役者に挨拶をすべく5階の事務室へ。
机が10つほどの部屋で、5、6人のスタッフが作業をしていた。
カメラがそれらしい男を捉える。
今回の芝居は、
60年代の黒人運動家、Frederic Douglasを扱った一人芝居だと聞いていた。
「彼が役者のRoger Smithか…」
と思ってみていると、突然、別の男がこちらを向いた。

ペンキで汚れたつなぎの服を着たひげ面の男。
今の今まで、必死で電話をかけまくっていた男だった。
Hi, how’re you?!
と彼。
舞台にひとりでも多くの客を集めるために、知り合いみんなに電話をしていたところだといった。
背が高く、よく見ると役者らしい風貌(?)をしている。



war stop



午後9時。
Ellenさんが振り鳴らすベルで幕が開く。
Smithさんの電話攻撃が功を奏したのか、客席は一杯。
TVモニターやスライドを駆使した、彼の一人芝居が始まった。
ところが、この舞台はほとんどが彼の一人喋り。
セリフだらけの舞台は、まだまだ自分には荷が重すぎた。
だが、彼の表情を見ているだけでも興味深く、まさにあっという間に舞台は終了。
そして大喝采。

舞台を降りて小さな楽屋に引き上げてきたSmithさん。
顔中、一杯の汗。
Ellenさんが顔をだす。
そして、
Give me five!
手をパチンと合わせて、ふたり抱き合った。

残念ながら私には彼の舞台は理解できなかった。
「どうだった?」
とカメラマンの海野くんに聞いてみた。
「よく分かりませんけど、Smithさんの満足そうな表情をみていたら、それだけで良かったんだなあ、と思ってしまいました」
う〜む。
で、改めてSmithさんの顔を覗き込んだ。
“間違いなく”ひげ面の役者の顔があった。

(飯村和彦)






newyork01double at 11:52│Comments(9) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by chiemi   2005年11月19日 15:25
こんにちは。仕事場から失礼します。
英語。。。いつもありがとうございます。(にしても、何故fiveなのかなあ〜sevenの気がするのに)
それにしても、すぐ使いたくなるこの性格。今日絶対に使おう。こんなふうにして色々使うので、最近友達のPが不思議がっています。ここでの勉強が良いんだなあ〜嬉しい!
2. Posted by 飯村和彦   2005年11月19日 17:35
>chiemiさま
なぜでしょうね、「5」なんですね。後で調べてみましょう。
3. Posted by ナタデ   2005年11月19日 22:41
ナタデです。寄ってくれてありがとうございます。
ブログを初めて「親バカ」家族すごく多いんだなと気づきました(笑)「私は親バカです」と言えるのも一つの幸せですよね。
こちらの白黒の写真も素敵ですね♪また来ます!
4. Posted by 飯村和彦   2005年11月19日 22:56
>ナタデさま
親バカでなかったら、親はやっていけません。そう思いませんか? 今後とも、宜しくお願いします。
5. Posted by にこにこ   2005年11月19日 23:33
飯村様 何か分かりません。
歳の差ですかね! 
6. Posted by akchan   2005年11月20日 01:27
先日はブログにコメントを頂いてありがとうございます。
NYってとても遠い世界のような感じがします。きっといろんな人がいて活気ある街なのでしょうね。NYと言ったらNY NYと言う曲が一番に思い浮かびますが。
家の息子も季節の変わり目によくぜーぜーと言う咳をしていました。スイミングのおかげか?今はあまりひどくなりませんが(^^ゞ
それにしても、素敵なブログですね♪
7. Posted by カメ   2005年11月20日 05:20
僭越ながら、fiveは手を広げた5本指のことを指すのではないでしょうか。
だから、パチンとやるために広げた手を貸して、くらいの意味では・・・?
でも、私、恥ずかしながらこの表現を知りませんでした。
いつも素敵なエピソードとともに、短い英語のフレーズのご紹介。
とっても味わい深く、一つ一つがしっかり頭に刻み込まれます。
これからも楽しみにしております。
8. Posted by 飯村和彦   2005年11月20日 09:24
>akchanさま
スイミング、良いようですね。確か、うちの甥もスイミングでかなり好転しました。
9. Posted by 飯村和彦   2005年11月20日 09:27
>カメさま
「指」。そうかもしれませんね。「回答」はいましばし。

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