週末だから!:犬とネコ「スパイがいるゾ!」東京story:「ダブル」秘話〜アルバムの意味〜

2005年11月21日

NY’90:空きビン落としの当り屋



No.22
scam (=con)
あざとい行為・手口。セコイ金儲けをする輩らの汚い行為。
詐欺師の手口


Ex. What’s a scam! I hate them.

42nd St.あたりで故意にぶつかってきては、
手に持っていた「空きビン」を落とし、
その弁償代として観光客から、$20を脅しとっていくような奴。
さらには、株の情報を顧客にリークして金を儲けるような奴のことまで、ともかく、人を騙してセコイ金を儲ける奴の手口。
日本でいえば、かつてのリクルート事件の江副社長や、
彼から未公開株を譲渡されて金を儲けたとされる大勲位・中曽根元総理をはじめ、
株を受け取った一連の国会議員たちの汚い行為もscam。



街角



空きビン落としの当り屋
雨上がりの夕方、
といってもまだ完全に明るく、通りをいく人の数も多い時間のこと。
34th St.から、我がアパートのあった30th St.に向かって8th Ave.を歩いていた。

どデカイ、ロマネスク調のアメリカ中央郵便局を右手に見ながら、
マディソン・スクエア・ガーデンの前を通り、30th St.の角にきたとき、
行き成り私の肩にぶつかってくる黒人がいた。

「アッ」と思った瞬間、
「ガシャッ!」という鈍い音が背後から聞こえた。

当り屋の存在については、ニューヨークに住む知人からすでに聞いていたので、その対処法として教えられた通り、
完全に無視して歩き続けた。
立ち止まって言葉を交わしたら泥沼にはまっていくという。

が、そのときは勝手が違った。
「Excuse me, excuse me, Sir!」(ちょっとちょっと、ダンナ!)
と執拗にくいさがってきて、あきらめる気配がない。
あげく、私の前に立ちふさがり、
割れたウォッカのビンを差し出してきた。

「You broke my stuff, please give me $20.」
(俺のもの壊したんだか、ら20ドルよこせ)
と白目をむいて主張していた。
人を脅しては金を巻き上げていく、典型的なタイプの男。
こんな野郎のいいなりになってたまるか!
と、私の心に「小さな」敵対心が沸いた。

「どうせ空きビンだったんだろ。もしウォッカが入っていたとしても、お前がワザトぶつかってきたのを俺は知ってる。俺に責任はない」
と言葉を並べた。
ところが、男はそれでも堂々とウソをまくしたて、
ついには、折りたたんだ傘で私の胸を突いてきた。

怖い。正直、そう思った。
すると、男が道路の反対側に視線を投げた。
なんと、仲間らしき男が2人、こちらを見ていた。
これまた見るからにいい加減そうな奴らである。
正直、まいったなあと思ったのだが、
ここで「ハイ、そうですか」と、
金を差し出すのもしゃくなので、一つ提案をしてみた。

「わかった、弁償しよう。でも20ドルは払えない。ぶつかったのにはお前にも責任がある。だから半分のい10ドルだけ弁償してやる。近くに酒屋があるから、そこでウォッカのハーフボトルを買ってやるよ」



パーキングメーター2



その黒人が欲しいのは現金で酒ではない。
最後の意地悪だ。
と、男の顔に野卑な笑いが浮かび、その途端、強力な力で私の首根っこを掴んできた。
さすがにそこまでくると先が怖い。
仕方なく、
ポケットから、くちゃくちゃの5ドル紙幣を2枚だして男に渡した。

その後、アパートに戻った私が、強烈な腹痛に襲われたのはいうまでもない。かなり緊張して男とやりあっていたために、胃が痙攣(けいれん)したのだ。
ベッドでのた打ち回りながら、
私はふたつの感情を味わうことになる。

「10ドル値切ってやった」という微かな満足感に近いものと、
「それでも10ドル取られた」という悔しさと。
いづれにしても、
What’s a scam! I hate them. (ったく、汚ったねーな! ふざけんなよ)

(飯村和彦)





newyork01double at 10:50│Comments(15) ニューヨーク | カッコイイ英語

この記事へのコメント

1. Posted by kazurin   2005年11月21日 00:42
怖いですね。
私は、ロスで1ペニーおばさんに遭遇しました。
しかも、ショッピングセンターのトイレで。
コーディネーターの方から突然「1penny please」といって近づいてくる人に気をつけて言われてたので、あまり驚かなかったですが、やっぱり怖かったです。
2. Posted by カメ   2005年11月21日 05:51
やはりN.Y.にいると、怖い目にも遭うのですね。
私は、まだ海外でそんな怖い目にはあったことがありませんが、
こんな時、私なら、もう恐怖で、何もできないと思います。
ギリギリまで立ち向かった飯村さん、さすが度胸がおありですね。
でも、やはり命あってのものだね、ですから、どうぞお気を付けて・・・
NYの写真、いつも素敵ですね。
3. Posted by カメ   2005年11月21日 05:56
すみません。コメント入れたつもりが入っていないようなので、もう一度。
(って2回書くと、よく後で2つ入っていたりするんですけど・・)
いろんな体験をなさっていらっしゃるんですね。
NYは怖いけど、それでも魅力のある街ですね。
自分で行くことはなかなかできませんが、観光ガイドに載っていない
NYのお話、楽しみにしています。
4. Posted by 愛犬家   2005年11月21日 13:56
卑劣ですよね。
そんな事をして、手に入れたお金にどんな意味があるのでしょう・・・。
巻き上げたお金でどんな贅沢をしても、満たされないと思います。
一生懸命働いて手にしたお金で買うからこそ、大切にするし、幸せも感じるものだと思います。
哀れな人達です。
5. Posted by TAKO母   2005年11月21日 15:29
話ではよく聞きますが・・・
実際あるんですね。。怖いですね。。
その場 その場の 飯村さんの 気持ち
すっごくわかります。。。
でも・・・・・
日本人とわかって するんですかね??
アメリカの人にもたかるんですか・・・??
日本人は一般的にお金を持っているとか 
思ってるんですかね??
どちらにしても・・・・
気をつけてくださいね!! 
巻きこれて 怪我でもしたら大変です。
6. Posted by tamami   2005年11月21日 17:20
はじめまして。毎日ここのブログを楽しみに見ています。当たり屋の存在は聞いてはいましたが、私は一度も体験談を聞いたことはありませんでした。私は昔、BrooklynのBedstayに住んでいたのですが、そこでは遠まわしに金を取るのではなく、直接バッグを盗んだり、金をくれと言ったりさまざまな人が多かったです。幸い、私は何事もなかったのですが、バッグを取られた人を間近で見ていた私は恐怖心からか何もできませんでした。「誰か捕まえてー!」という声もむなしく、男は走って逃げ去りました。とても悲しげな彼女の顔は今でも忘れられません。
7. Posted by さんたん   2005年11月21日 17:40
いや〜ん。こわいですね(ToT)/~~~
ガイドブックとかで聞いた事はありますが実際にあったら相当怖いんでしょうね。
外国に慣れた飯村さんでさえそうなんですから、観光客とかにやられたらひとたまりもありません。
対処法としては最善だったんでしょうね。
お怪我がなくてよかったです!
8. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 17:45
>kazurinさま
そうなんです。「突然!」が困るんですよね。こちら側に余裕があれば、もしかすると手助けもできるかも知れないのに、なかなかそうはいきません。
9. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 17:48
>カメさま
「学習」したので、もう絶対にしないでしょうね。でも理不尽極まりないことをされると、人間、闘争本能が沸いてくるものです。まあ、常に「非暴力」でいきたいところです。
10. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 17:49
>愛犬家さま
哀れ…ですね、本当に。付け加えれば、私にいちゃもんをつけたその人物は、屈強が体格でもありました。あの体格をもってすれば、あれこれ仕事につけそうなものなのに…とも考えますが、まあ、その辺はその人物なりに難しい面もあるのでしょう。
11. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 18:02
>TAKO母さま
アメリカ人というか、地元の人間は対象ではないと思います。見てすぐそれと分かる「観光客」でしょうね。街に不慣れで、かつ、おとなしそうな人たち。特に日本人などは、何かを壊してしまった!と思わされると、なんとかしなくちゃ、と思い勝ちなのでは? そうそう、酒のビンではなく、「ポータブルラジオ」を使われた人が、知人にいました。ガシャン!と音がして、袋の中を見せられると、バラバラになったラジオの部品が入っていたとのこと。
敵も、考えるものです。
12. Posted by 明るい空   2005年11月21日 18:09
本当に怖いですね。私はヨーロッパで同行者がスリに遭ったのを目撃してしまいましたが、あとでそれとわかるだけですぐには何が行われたかわかりませんでした。どうぞお気をつけ下さいませ。
13. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 18:10
>tamamiさま
本格派ですね。そのような人に脅されたら、仕方ありません。おとなしくしているのが賢明です。本当に!「命」に係わる場合がありますから。いづれこのブログでも書くことになるかもしれませんが、かつて私は、NYで仲間を一人失いました。言いようのない憎しみというか、悔しさは決して癒えることがありません。
14. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 18:16
>さんたん様
今にして思えば、「最善」ではなかったかもしれません。おそらく、場合によっては「臆病」になることが大切なのでしょう。威勢よく相対しても、「火に油」ということになりかねませんから。一部、反省もしているのです。
15. Posted by 飯村和彦   2005年11月21日 18:21
>明るい空さま
「スリ」ですかあ。スリは、プロフェッショナルの手にかかったら、もうアウトでしょうね。「命」まですられないように用心!…ということになるのでしょう。

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