栃木リンチ殺人と警察怠慢エンパイア・ビルを真下から!

2006年04月14日

川端康成のストーカー小説



50年以上も前に書かれた小説である。
川端康成の「みずうみ」が、
雑誌「新潮」で連載開始されたのは1954年。
そして、1955年に単行本となった。

この本は、
今でいう「ストーカー」の心理を描いた小説である。


川端康成


もちろん、
51年前の日本に、「ストーカー」という言葉はなかったろう。
さらには、
ストーキング行為に対する考え方も、
現在とは違うかもしれない。

しかしながら、この「みずうみ」は、
犯罪者としてのストーカーの心理を読み解く上で、
極めて「現代的」である。

美しい少女、女性を付回す主人公(=ストーカー)は、
「学校の教師」。
この人物設定からして、
「今」…に通じる。

つまり、
いつの時代にも、
「卑劣な犯罪者」、ストーカーは存在しているということ。

「文学」としては勿論だが、
ストーカーの犯罪心理の一端を知る、
「実用本」としても機能する。
興味のある方は、一読を…。


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(飯村和彦)


newyork01double at 10:17│Comments(14) 気になるBOOKs 

この記事へのコメント

1. Posted by かえで   2006年04月14日 16:42
川端康成さんの本にそんな本があったんですね。
知らなかったです。
今も昔も、犯罪は変わらずあったんでしょうね。
ただ、今の時代はテレビでニュース以外に
ワイドショーとかいう番組もあるから
犯罪が増えたような気もしますが
犯罪者の心理は今も昔も
さほど変わらない様に思いますね。
ストーカーこわいです。

でも 私はこのストーカーとか言う言い方が好きではありません。
他にも、「俺俺詐欺」とか 変に名前をつけるのは流行に
繋がるような気がします。
「親父狩り」とかもそうですね。
「万引き」も「窃盗」でいいじゃないですか・・・とおもってしまいます。
2. Posted by リョウ母   2006年04月14日 17:13
20位に上がっていました。
この本 とても興味があります。
読んでみます。
3. Posted by 飯村和彦   2006年04月14日 19:49
>かえでさま
確かに、ある事象に、特に犯罪行為に、特別な名前をつけると、それを新しく認知してしまったようで、嫌ですね。
「いじめ」などもその一種ですね。
いじめ、いじめと騒ぐと、余計に広がりますから、
4. Posted by 飯村和彦   2006年04月14日 19:51
>リョウ母さま
いつもいつも、クリックして頂き、感謝です。
ところで、「みずうみ」
本当に興味深い小説です。
物語の中に描かれる風景や事象は当時のものですが、
アイディアや人間心理は現代にも通じています。
5. Posted by パパZ   2006年04月14日 21:02
装丁からして暗く沈んだイメージがありますね。
「時間がない」という言い訳を排除して、
「時間をつくり」一読してみたいと思います。
川端康成というと「伊豆の〜 」の印象が強いですが、
このような心理描写の作品も得意だったんですね。
6. Posted by 飯村和彦   2006年04月14日 22:11
>パパZさま
川端康成さんとしても、
当時、ある種の挑戦的な意味もあったと思います。
心理の流れで小説を構成していくという手法。
いまでこそ誰でも取り入れている方法ですが、
50年前にあっては、斬新であり冒険的だったのだと思います。
7. Posted by アキラ   2006年04月14日 23:28
言葉は時代とともに広がっていくんだなと思うことがあります。
「ストーカー」という言葉もそんな言葉の一つかもしれません。
「花粉症」昔はなかったように思います。
また、この装丁も渋いですね〜(笑。
8. Posted by hana♪   2006年04月15日 00:19
ストーカーと言う言葉が使われるようになったのって
本当に最近ですよね
私達が若い頃は、そう言った行為があったとしても
なんて言っていたんだろうと考えてしまいました。

このような本が50年以上も前に書かれていたなんて
興味深いです。
飯村さんは本当に沢山の本を読まれているんですね
前回紹介して頂いた本や、今回の本もとても興味をそそられます
↑のパパZさん同様。時間を作って読んでみたいと思いました
9. Posted by 愛犬家   2006年04月15日 07:18
川端文学は大好きです。
その心理状態をどんな風に表現してゆくのか・・・興味津々、読んでみたいです。
最近は本を読まなくなりました。
素敵な本に出会いたいと、いつも思ってはいるのですが・・・。
10. Posted by 飯村和彦   2006年04月15日 16:01
>アキラさま
「花粉症」
…この言葉もここ数年ですね、確かに。
11. Posted by 飯村和彦   2006年04月15日 16:03
>hana♪ さま
時間、作ろうと思えば、
かなり沢山作れるものですよ。
あれこれ同時進行になる場合もありますが…。
12. Posted by 飯村和彦   2006年04月15日 16:04
>愛犬家さま
作品自体は当然「古風」な趣ですが、
内容は現代的です。
13. Posted by chiemi   2006年04月16日 10:51
確かに、古文書の時代から、
「親殺し」や「子供を捨てる」話。
横恋慕の末の無理心中。
たくさんの聞くに耐えない、読むのに苦しい人間の実態が、
浮き彫りにされています。。
人の性を考えさせられます。
しかし、最近は、理由なく・ただ何と無く・思いつき・のりで・・・そういう形容詞が付く犯罪が多く、ものすごく切ないです。
14. Posted by 飯村和彦   2006年04月16日 15:39
>chiemiさま
人間の欲や性にまつわる犯罪そのものは、
今も昔も、そんなに変わらないのでしょう。
しかし、
最近は、おっしゃる通り、軽薄なものが増えていますね。
嫌になります。

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