2007年05月16日
マンハッタンの猫
「なに? 私、売り物じゃないわよ!」
マンハッタンで見かけた猫だ。
暖かな陽の差し込むショーウィンドウの中。
「プスプスプス!」
と呼ぶと、
彼女(…勝手にそう決めた)は、
面倒臭そうに視線を投げてきた。
まったりとした午後だった。
「タマ」
ありふれた名前が頭に浮かぶ。
“ニューヨーク在住”の猫に、
タマはないだろうが、まあいいじゃない。
それとも、キャッシー?
違うな。
やっぱり君は、「タマ」だよ。
少なくとも、
僕と君の間では…。
もっとも君は、
「タマ」と呼ばれようが、
「キャッシー」と呼ばれようが、
はたまた、「ジョージ」なんて呼ばれても、
同じような視線を向けるんだろうなあ。
けれども、
物事にとらわれない、
泰然としたその態度、
悪くない。
羨ましくもある。
穏やかだ。
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(飯村和彦)
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