インプレッサ
2012年10月12日
「スバル」、アメリカで快走中!
マサチューセッツ州アマースト。
この街に越してきてすぐ、あることに気づいた。
「やたらとスバルが走ってなあ」
信号待ちの車の群れ、
レストランの駐車場、
街中の道路沿いのパーキング、
そこには「必ず!」スバルがある。
東京では考えられない頻度でお目にかかるのだ。
で、自分なりに納得していた。
「この一帯には山や丘が多い。
おまけに冬は冷え込み、雪も少なくない。
スバルにはもってこいの市場なのだろう」…と。
もちろん、その見方は間違いじゃなかった。
ここ米国・ニューイングランド地方は、
スバルの持つ「技能」(高い安全性や走行性)が、
より発揮しやすい地域であることは確かだから。
けれども、
あれこれ調べてみると、
スバル車がやたらと多いのはそれだけの理由じゃないようだ。
(アマースト大学駐車場、photo:Kazuhiko Iimura)
まずは、今どれぐらい「スバル」が好調なのか。
数字で見てみると…
世界販売は今期、前期比13%増の72万台。
2年ぶりに最多記録を塗り替える。
そして史上最高益!
日本国内工場は24時間フル稼働状態。
その半分がアメリカ向けである。
「スバル」人気、いまや全米規模に拡大中!
アメリカ北東部のニューイングランド地方や山の多い地域には、
「スバリスト」と呼ばれる人たちいて、
彼らは、スバル車で大いなる自然を疾走している。
まあ、これは理解できる。
スバルならでは「走り」が堪能できるわけだから。
それがこのところ、
これまでの地盤だった山岳地帯だけではなく、
西海岸のロサンゼルスやアトランタ、
ダラス、オーランドなど南部でも販売が急増している。
アメリカの有力な消費者情報誌「コンシューマー・レポート」が発表した、
2012年の自動車メーカーランキングでは、
「スバル」が堂々の1位を獲得!
部門別でも、
「インプレッサ」が小型セダン部門で首位になっている。
成功の鍵は?
各種報道を総合すると、スバルの成功の秘密は、
ドライバーの好みをしっかり理解していることにつきる。
スバル好きの客層は、知性的で、新しいものへの関心が強い。
年齢では、業界平均よりも3歳若く、
その四分の一以上が大学卒だといわれている。
さらに、
自由を好み、経済力はしっかりしている。
「平均所得は88,000ドル。これはホンダとほぼ同じ、
トヨタよりも1万ドル高い」
(市場調査会社Strategic Visionデータ)
その一方で、彼らは倹約家。
自分の経済力で余裕をもって買える車を選ぶ。
36%は、現金で車を買うという。
スバル・オブ・アメリカのマーケティング責任者は…
「スバルに乗る人々は高級車のオーナーとは違い、
品物を買うのではなく、経験を買っているのだ」と説明。
「堅実な購買層にセンスある商品を提供することで、
市場環境の悪化した2009年を乗り切り
その後、過去最高の販売と市場シェアを獲得した」
ちなみに、
増産を続けるスバルのインディアナ州の工場。
この工場は、野生生物保護区域(環境保護地域)に立地しているため、
埋め立て地に送るような廃棄物をださないことが義務付けられているという。
ここに工場をつくったのは、
環境保護に取り組んでいるスバルの理念からだが、
結果として、
環境保護に関心をもってる人からの強い支持を得ている。
同時に、構築される「ブランド力」は当然強い。
(アマースト・センター、photo:Kazuhiko Iimura)
スバル、いいじゃない。
改めてそう思うようになったのは、
マサチューセッツに住みはじめ、
街中を快走する多くの「スバル」を日々目にするようになったから。
もう10年以上前になるけれど、
東京で経済系の報道番組を担当していたころ、
富士重工の社長がゲストとして番組に登場した。
そのときの社長のコメントが印象的だった。
「わが社は“ふかぼり”ですから」
水平対向エンジンやら四輪駆動技術。
スバル車の安全性と走行性は、
車種を少数に絞り込み、技術面等々で深く掘り込んだ結果…。
で、考える。
こんど車を買い替えるときがきたらどうしようか…と。
いま我が家には、古〜い「サーブ」(おまけにコンバーティブル)がある。
それも親戚からの「おさがり」だ。
そう遠くない将来に走れなくなるだろう。
さてそのとき「スバル」を選ぶのか?
どうだろう…
まあ、そのときだ。
(飯村和彦)
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